前回では伊東祐親、祐清親子が鎌倉殿の命令で誅殺されたところで終わりました。
第12話の冒頭で、義時が八重にじさまが自害したことを報告に行きます。
八重は「そんなのはおかしい。父はなぜ死ななければならなかったのですか。」と詰め寄ります。
義時の答えは「これ以上の詮索はやめましょう。申し訳ありません」です。
勘のいい八重さんだもん。この言葉で佐殿に殺されたのだと察したはずだよね。
そして八重に、自分たちのふるさとである伊豆で休ませようと、自分の領地である江間へ行かせる義時でした。
義時ってとってもやさしくて、そのやさしさが逆に人を傷つけてしまうところがあるよね。
そうだね。でもこのやさしさもあと少しだよ。今後13人の合議制になってから義時の顔つきがどんどん変化していくだろうからよーくみててね。
第12話は女の嫉妬が渦巻く「亀の前事件」です。
【鎌倉殿の13人】第12話 あらすじ
頼朝の嫡男誕生に期待が高まる。
政子の懐妊が引き起こした、小さな波紋。
それはやがて、大波となって押し寄せる。
―オープニングナレーション引用
阿野全成と実衣の婚儀の場での女のバトル
阿野全成と実衣の婚儀を身内で祝っている時に、話の流れで実衣さんが「北条の家は誰が継ぐんですか?」と問いかけます。
一瞬、場の空気が凍てつき、おもーい空気が流れたのが見ていてわかったよね!
後を継ぐのは小四郎(義時)に決まっとると時政が言えば、りくさんは「今のところ」と言いかえしてきます。
すると、政子が「今のところ?」とすばやい反応。
私が男子を生めばもちろんその子が、ねえ。
そうなる…かな。
それでいいの?
私はべつに。
あなたはそういう人だからいいかもしれないけど、私はちょっとねえ。
こちらは私が生んだ子だと不満だとおっしゃってるのかしら。
そうは言ってませんけど。
背筋がぞわぞわしてくる、嫉妬心とやっかみに見舞われた女のヤなところを見せつけられた会話でした。
義理で結ばれた母と娘は親子と呼べるようなものではないんですね(>_<)
この時代は特に…。娘の方が格上だから、義母の嫉妬がすさまじいことこの上ない。
鎌倉殿がこの場を収めてくれてやれやれといったところです。
出産のため比企の館へ移る政子
出産間近の政子は乳母父に任ぜられた比企能員の館へ移ることになります。
乳母父任命の場面でも今後のバトルを匂わせる良きシーンだったなぁ。
みんな自分のことばかり。鎌倉殿のために一致団結ってところがなかったね。
ここでのちに13人に加わる大江広元(栗原英雄)、中原親能(川島潤哉)、藤原(二階堂)行政(野仲イサオ)が、京にいる三善康信(小林隆)の推挙で文官として加わります。
政子が御所を発つ日のりくさんも、娘へのねたみが渦巻きます。
私の時とずいぶん扱いが違うじゃありませんか。
競い合ってどうする。
政子もいい気になって…。行ってまいります。偉そうに。
りくさん、いやらしい面が出てきてどんどん悪女になってきたね。
この段階的に悪女の階段を上っていく事が、のちのりくさんが絡む大事件に活きてくるようになってくるよ。覚えておこうね!
政子男子出産→義時を隠れ家へ呼ぶ鎌倉殿
政子が男子を生むと鎌倉殿も大喜びです。
しかしその後義時は鎌倉殿の隠れ家へ呼ばれ、愛妾である亀と対面します。
妻の弟に愛人を合わせるなんて頼朝ってしょうもない男だと思うけど、義時は頼朝にとって側近中の側近。
報せないわけにはいかなかったのでしょう。
亀は義時に、自分が鎌倉殿のそばでお世話をするのでご心配なくと八重に伝えてくれと言います。
八重と亀の間で何かあったのではと感じた義時は、すぐに八重のところへ向かいます。
こういうところが義時のやさしさなんだろうけど、結局八重を傷つけてしまいます。
放っておいてくれと……
八重に関しては詳しく書かれた資料がないため、三谷さんの感性で好きなように書かれている感じがします。佐殿や政子、義時とうまく絡めて今後もおもしろい話を期待しちゃいますね。
体の弱い万寿→親の不徳のせい⁉
比企家で育てられている万寿(頼朝と政子の子・のちの頼家)はどうも体が弱いらしい。息が止まってしまうこともあるようです。
実衣は心配で全成に話すと、全成は「親の不徳が子に災いをもたらすというね。」
「決して誰にも言ってはいけないよ。兄上には御台所とは別に思い人がおられる。」
はい、ここからうわさ話の伝播の法則がみれますよ~!
おしゃべり実衣ちゃんに話したら最後。それはそれはまたたくまに広がったね。
「誰にも言ってはいけないよ。」は、禁断の果実のようなもの。言ってしまいたいのが人間の性なんです(>_<)
阿野全成→実衣→範頼→時政・りくと伝わったところで、時政がりくに「政子には言うなよ」とくぎを刺します。
また出ましたね。「言うなよ」は、人の心を揺さぶる魅惑の言葉。りくさんが黙っているわけがありません。
政子の知るところとなってしまいました。
怒り狂う政子とたきつけるりく
義時は政子につめ寄られ、相手が亀という侍女であることと、居場所を教えてしまいました。
政子に鎌倉殿の顔をうかがってくっついてばかりいる田んぼのヒルと言われた義時の顔は、相当ショックを受けているようでした。
三谷幸喜が北条義時のことをそう思っていて、政子の口を借りて言わせたと思うとおかしくて…三谷さん最高です!
後妻(うわなり)打ちでの仕返し
りくは政子に後妻打ちで仕返しをしようとたきつけます。
後妻打ち(うわなりうち)とは、日本の中世から江戸時代にかけて行われた風習のこと。夫がそれまでの妻を離縁して後妻と結婚するとき、先妻が予告した上で後妻の家を襲うというものである。
引用元 Wikipedia
離縁したわけでも後妻になったわけでもないのに、後妻打ちをもちかけるなんて論理がはちゃめちゃすぎるわ。嫉妬に狂う女は恐ろしや~。
都の習わしに詳しいりくの兄・牧宗親に白羽の矢が立ちます。
兄さんとひそひそ後妻打ちの話をしているりくは、意地の悪い女だったけど、ウインクなんかしちゃってかわいいお茶目な面もみえたな~。このシーンありきのキャスティングのような気がしてくるわ。
亀を避難させる
三浦義村にこれからどうすればいいか相談に行く義時であったが、亀の居場所を教えてしまったことを悔いることになってしまいました。
すぐさま義村とともに亀を避難させに向かいます。
亀をどこへ移すか決めていない義時。義村は亀に「いっそ俺の女になるか。」と言うと亀は「悪くない」と。
そんな義村に「女なら誰でもいいのか」とたしなめる義時に、「誰でもではない。頼朝の女だ。その時はじめて俺は頼朝を超える。」と言ってのけます。
義村の思考がわからなすぎてかわいそうな義時でした(≧▽≦)
見張り役を義経に
亀の館の襲撃に備え、鎌倉殿に尽くす大事なお役目ですと言って、義時は義経に見張り役を頼みに行きます。
「あなたがいればきっと何もおこらない。」と言って。
戦もせず、暇そうにしていた義経の興味をそそるにはじゅうぶんでした。
義時さん、人選まちがえてるよね。
でもここは鎌倉殿のスキャンダルに関わることだから、身内以外に頼むことはできなかったのかもね。義時は義経をかってたしね。
亀の館襲撃
見張りをしていた義経の前にのこのこと牧宗親がやってきます。
鎌倉殿のそばめの館をちょっとこわしにきたのだと。ここでようやく自分が見張り番をしていた館が頼朝の愛人の家だと知ることになった義経です。
御台所に頼まれてやってきたと聞いて道を開けます。
手伝ってくれないかと言われ、にやり。
政子を慕っている義経は弁慶らを使い、大打撃をくらわせ火までかけるという暴れっぷりをみせたのでした。
義経は謹慎 牧宗親は髻を切られるという大事に発展
/#吾妻鏡
— 2022年 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 (@nhk_kamakura13) March 27, 2022
寿永元年(1182)11月12日条
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源頼朝は亀の暮らしていた屋敷を破壊した牧宗親を呼び出して詰問。「政子を重んじるのは良いが、命令に従うとしても、なぜ内々に報告してこなかったのか」と逆ギレし、宗親の髻(もとどり)を切り落としてしまいました。#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/KVN1DJwhtl
焼け落ちてしまった館を見た鎌倉殿は「なんということだ。恐ろしすぎる。ここまでするか~。」と茫然とします。(このシーンは完全に大泉洋になってましたね^^;)
御所では下手人は都の習わしに詳しい人物ではないかと推察され、牧宗親に容疑がかかります。
そこへ梶原景時が「もう一つ伝えねばならぬことがあります。見ていたものが申すには火を放ったのは、九郎義経。」と伝えてしまいます。
義時はおおあわてです。すぐに政子のところへ行って、鎌倉殿を静めてくれと頼みますが、政子は応じようとしません。
屋敷が焼け落ちたことを知らない政子は、元はと言えば義母上が持ち掛けてきたこと、お灸をすえられればいいくらいにしか思ってないからね。
そこで義時は屋敷が焼け落ちたこと、九郎殿(義経)が関わっていることを報告します。
政子はびっくり仰天。どうして???と驚くばかりです。
これには義時も「私のせいなんです。ああ、自分が嫌になる。」と自分のふがいなさに泣くのでした。
観ていた私は爆笑したけどね(≧▽≦)
すごいな、小四郎がやったことがすべて裏目に出てるw#鎌倉殿の13人
— 亥崎雨龍(読み:イザキウリュウ)/テッキさん (@izakiuryu) March 29, 2022
御所では牧宗親と九郎義経の詮議が始まります。
牧宗親は御台所に頼まれてやった。私は悪くないと言い張ります。
一方義経は、火をかけたのは自分の一存でやったと潔く認めます。
鎌倉殿は人の奥に潜む卑しさみたいなものを見抜いたようでしたね。
御台所のことを思ってやったのであろう義経には、謹慎という沙汰に対し、牧宗親には髻(もとどり)を切るというとても厳しい処分を下しました。
これにはさすがの義経もドン引きです。兄の怖さを思い知ったのではないでしょうか。
髻を切るとは?
髻は冠や烏帽子(えぼし)を頭に留めておくために必要なもので、髪を子供の垂れ髪から髻に結い上げることは、一般の男子にとって成人になったあかしであった。それゆえ、出家もしていないのに髻を切るとはまともな成人男性としてみなされない、最高の恥辱を受けるに等しい処分だったのである。
鎌倉殿のあまりの仕打ちにりくや政子は抗議をしにいくわけですが、鎌倉殿は「黙れ、わしに指図するなどもってのほか。源頼朝を愚弄するとたとえお前たちでも容赦はせぬぞ!」と啖呵をきるのです。
これを聞いた時政はぷっつん‼
「源頼朝がなんだってんだ!わしの大事な身内にようもそんな口をたたいてくれたな!たとえ鎌倉殿でも許せねー!」
時政パパはカーっとなったら見境なくなってしまうところがあります^^;
石橋山の戦いでも時政の勇み足が発端となって大敗を喫することになってましたね。
この顛末に北条時政は伊豆へ帰るというとてつもなく大きな事件となってしまったのでした。
つづく…
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【鎌倉殿の13人】第12話 感想
今回は女の嫉妬から始まった出来心による仕打ちが、雪だるま式に事が大きくなり思いもよらない結果へとなってしまった恐ろしい回でした。
同時に史実では政子の恐妻っぷりばかりが伝わっていますが、案外こんなことだったのかもよという視点を見せられて、とてもおもしろい回ともなりました。
上総広常が文筆の練習をしたり、亀にいっさいなびかない男前な面を見せたりと人物の深掘りも忘れない三谷脚本にしびれちゃいます(≧▽≦)
義時のひよっこさもよく表されていて、今後怖さを増していくであろう義時とのギャップを大いに味わわせてくれるにちがいありません。
最後に大江広元が鎌倉殿に「一つ気になったことが。」と進言しようとしたところで終わりました。
上総広常のことか義経のことなのかとても気になるところです。
今回の私の注目点は大江広元の人を見抜こうとする鋭い眼光です。大江広元の分析力は今後鎌倉殿にとって重要となっていくことでしょう。
義時にないものを他のもので補う。鎌倉殿の政治力は確かにあったようです。
大江広元に関しては「成人してから後、涙を流したことがない」と、後年自ら述懐したという逸話があります。その真贋は定かではありませんが、広元の情に流されない冷静な人物像が反映された逸話です。
さて、いよいよ来週は木曾義仲、巴御前、源義高が登場します。
個人的には義高推しです。歌舞伎界の若きプリンス市川染五郎君が演じます。
大姫との悲恋がどんな風に描かれるのか、今から楽しみです。
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