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【鎌倉殿の13人】第44話あらすじ感想~審判の日|修羅の道を行く義時

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後鳥羽上皇の子である親王を、養子として迎え入れることが決まった鎌倉。

それに伴い、実朝もまためざましい昇進を遂げ、左大将からさらに上の右大臣の官職が授けられた。(太政大臣、左大臣に次ぐ高い官職です)

この栄誉に沸き立つ北条家だが…。

刻々と、悪夢の日へのカウントダウンが始まるのだった。

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目次

【鎌倉殿の13人】第44話 あらすじ

ともに鎌倉殿の子として生まれながら、別々の道を歩んできた二人。

運命は、神仏の前で交錯しようとしている。

ーオープニングナレーション引用

白い犬の夢

義時は夢に白い犬が現れ不吉に思い、薬師堂を建立し、運慶に戌神像を造らせます。

運慶は、戌の神は義時の守り神だと言います。

オープニング映像にもしっかりと白い犬がいました。どの場面か探してみてね。



まもなく行われる、実朝の右大臣任官の拝賀式さえ無事に済めば、白い犬の夢も杞憂に終わるだろうと思っている義時です。

戌神像のまわりでポーズを決める北条家の輪の中に、のえさんがいれてもらえないのが不憫でした。



1219年1月26日(拝賀式前日)、鶴岡八幡宮の御堂で、公暁が義村、胤義の前で図面を広げ計画を語ります。


「明日、実朝を討つ。実朝が八幡宮で拝礼を終えた帰りを襲う」


銀杏の木に隠れ、実朝が通ったら背後から飛び出し討つつもりです。


「実朝殿の首を討てば謀反人」


御家人の心が離れていくことを懸念し、義村が言います。

しかし公暁は、北条が父・頼家を殺し、ひどい調略によって実朝を鎌倉殿にしたこと、本来鎌倉殿になるべきは誰なのかを示す声明文を用意しているというのです。

義村も、公暁が目的を果たし、三浦が打倒北条を叫べば、御家人たちも呼応するはずだという目論見です。

のえに近づく源仲章

1月27日拝賀式を前に、政子、義時、実衣は喜びを分かち合います。

侍所では泰時を中心に、拝賀式の警備の打ち合わせ中です。

そんな時に、のえは源仲章に誘われおしゃべりをしていました。

仲章を警戒している義時はそれを知り、何か言質を取られたのではないかと、のえを叱りつけます。

男女の関係を否定するのえさんが、義時にそんなことは関係ないと言われた時はちょっとかわいそうでした。




「あの男は私を追い落とそうと躍起なのだ」

「私を見くびらないで!」


言い返すのえです。



儀式の前に実朝が政子の居室に訪れ、常に支えてくれた感謝を述べます。


「これより八幡大菩薩に右大臣任官のお礼を申し上げてまいります」


子ができぬことを詮索しないでいたくれたことも、ともに感謝する実朝でした。

義村の嘘

鶴岡八幡宮では、駒若丸が太刀や薙刀を準備し、雪に備え蓑も運び入れています。

平盛綱がその姿を目撃し、泰時に報告します。

不審に思った泰時が、三浦館を偵察すると、武装した兵が多数集結していたのでした。

胸騒ぎが収まらない泰時は、義時に、拝賀式をとりやめたほうがいいと注進します。

それを聞いた義時は、義村をつかまえ、公暁の行動に不審なところはないかと確かめるのですが…。

今は千日の参籠の真っ最中で、疑わしい点はなにもないと公暁に代わって誓うのでした。

しかし、義時は見逃しませんでした。

義村の手が襟に触れるのを。

さすが、幼なじみ(いとこ同士)ですね。義村が思いとは違うことを言う時に襟を触るクセがあることを知っているとは。


事が起きてからでは取り返しがつかない。

義時は実朝と仲章に拝賀式の中止を進言します。

しかし、仲章は一蹴します。

公卿たちの準備もすすんでいるため、今さら中止にはできないと。

ならば、警護の増員をと要請する義時ですが、口出し無用とはねのけられてしまうのです。


「しかしわからぬ。何ゆえ公暁が私を」


首をかしげる実朝に、義時が言います。


「鎌倉殿の座を狙ってのことかと」


そんなはずはないと思う実朝は、話題を変えるのでした。


「いずれ私は京に行きたい」


実朝は亡き頼家様が築いた鎌倉を捨て、京に御所を移そうとしている。

義時は怒りに震えて廊下に出ると、仲章がやってきてかまをかけてきます。

♪ほう〜じょ〜どの〜♪という背後からの声は、もはや義時にとっては悪魔のささやきですな。



頼家と一幡の死の真相を、のえに教えられたと。


「そなたの目当てはなんだ」

「望みはただの一点。人の上に立ちたい」

お前には無理だという義時に、仲章は答えます。


「血で汚れた誰かより、よほどふさわしい」

すでに優位に立ったような口ぶりで、仲章は答えるのでした。

痛いところをつかれた義時です。



義時は大江広元に相談します。

広元の答えは…。


「あなたは頼朝様より鎌倉を託された。臆することはございません。これがこの鎌倉の流儀。仲章には死んでもらいましょう」

うわ~、目は見えなくても冷静沈着、非情な大江広元は健在ですね。

義時はトウに仲章の殺害を命じたのでした。

つつじの願い

鶴岡八幡宮の大階段の下で時房は、拝賀の行列のために真新しいむしろを敷いています。

見上げると、雪がふりそうな雲行きです。

泰時は三浦館に向かい、義村に言います。


「今日の儀式、三浦勢は参加しないでいただきたいのです。鎌倉殿のご命令だと思ってくださって結構です」




感づかれたことに気づいた義村は襲撃計画の取りやめを決め、公暁に警告します。


「やめるわけにはいかぬ。このような機会は二度とない!」


連絡を受けた公暁が弟子たちの前でそうつぶやいた時、母のつつじが訪ねてきました。

公暁が過ちを犯すのではないかと心配しているのです。


「あなたはあなたの道を生きるのです」


鶴岡八幡宮の別当として実朝を支えることこそ、天から与えられた生きる道だと諭します。

また、不幸な運命に翻弄されながらも、公暁を授かり生きてきた道に悔いはないと言い切ります。

母の思いを聞き、悶々とする公暁です。

義時の決心~修羅の道

泰時は北条から兵を出し、警護を強化しようと義時に申し出ます。

しかし義時は、必要ないとこれまでの態度を一変させるのです。

せめて実朝に防具をと思い胴丸鎧を渡すが、実朝は身に着けようとしません。

太郎のわがままをどうか聞いてくれと言い、なんとか小太刀だけは受け取ってくれた次第です。

太郎のわがままを聞いてくれと、自分に対する実朝の想いを利用してまでも、鎌倉殿を守ろうとする泰時の必死さがひしひしと感じられてウルウルしてきます。




義時は修羅の道を行く決意を時房に打ち明けます。




「源仲章には死んでもらう」

「鎌倉殿にはどうご説明を」

「公暁がその鎌倉殿を狙っている」


すぐに公暁を取り押さえようという時房だが、義時にはその気はありません。

北条が必死で守ってきた鎌倉を実朝が捨てるのなら、もはや愛想が尽きたというものです。


「公暁が鎌倉殿を斬ったら、その場で私が公暁を討ち取る」


言葉もなく義時を見つめる時房でした。

謝罪する実朝

公暁が鎌倉殿に執拗にこだわる理由を知るために、実朝は、康信に頼家の死にいたる経緯を説明してもらいます。

康信は、頼家は病死ではなく殺されたのだと明かしました。

実朝は政子に黙っていた理由を追求するが、政子は釈明するだけです。


「公暁が私を恨むのは当たり前です。私は鎌倉殿を返上しなければなりません」


北条が生き延びるためには仕方がなかったという政子に、公暁をないがしろにしてなぜ平気なのか、兄上がそんなに憎いのかと問い詰める実朝です。

なおらん

政子のせいではないのに、実の子に問い詰められる姿は同じ母親として辛いものがありました。


実朝は誰にも知らせず公暁に会いに行き、膝をついて謝ります。

公暁は戸惑いながらも、怒りを爆発させるのです。


「あなたに私の気持ちなどわかるはずがない」


幼いころから持ち上げられ、何不自由なくすごしてきた実朝に、自分や母が日陰でひっそりと暮らしてきた気持ちなどわかるはずがないという公暁。

だが、実朝を憎いわけではなく、父を殺しあなたを担ぎ上げた北条が許せないのだとも言うのです。


実朝は公暁の手を取り、力を合わせ鎌倉を源氏の手に取り戻そうと話すが…。

実朝が帰るのを見送り、公暁がつぶやきます…。


「だまされるものか…」

本当の狙いは

政子は実朝に責められ、不安にさいなまれて義時を呼びます。

母としてなんとか実朝を守りたい一心です。


「今更、誰に何を言われようとひるんではなりません。わたしたちは正しかった。いつだって」


自分のしてきたことを背負って生きるしかないという義時です。

義時は、あとには引かぬ覚悟です。


間もなく拝賀式が始まろうとしています。

義時は鶴岡八幡宮の大階段の下に立ちます。

儀式用の太刀を手にし、横に来た源仲章に目を見張ります。

トウが仲章殺害に失敗したためです。

実朝と拝賀の行列は境内を進んでいきます。

泰時ら警護の軍勢は中門の外に待機しています。

盛綱が御堂を調べると、公暁の姿はありません。

そこに残されていた図面を持ち帰ったのでした。


「これは帰りの行列の並びだ」


泰時が見て取り、推測します。

銀杏の陰の〇印は公暁が潜む場所。✖印は実朝の位置。

もう一つ赤い✖印があります。


「公暁殿の本当の狙いは鎌倉殿ではない。父上だ!」


赤い✖印の位置を見て、息をのむ泰時でした…。

つづく…

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【鎌倉殿の13人】第44話 感想

「審判の日」(今後の史実としてのネタバレ含みます)

今回の副題もいくつか意味が含まれているようです。

「審判の日」をググってみると、まずキリスト教などにおける最後の審判の事と出ます。

最後の審判によって、キリスト教における世界の終わりをむかえるということです。

また「審判」とは、ある問題について検討し、その是非や適否などについて結論を出すこととあります。

これをこの鎌倉に置き換えて考えると、ある決意(審判)によって実朝と仲章の終わり、あるいは実朝の望む鎌倉の終わりをむかえるということだと思います。

それは義時が、鎌倉を捨てた実朝を見限り、修羅の道を選んだことから始まります。

警護を強化するなど、実朝を守る策を取らずに公暁にやりたいようにさせるのです。

そして二人の暗殺は公暁によって行われます。(仲章は義時と間違えられただけなのでかわいそうですが…結果的に義時の望み通りとなったのです)

公暁が身を隠す大銀杏もまた、義時の思惑によって死角になってしまったわけですね。



前回、実朝が鎌倉殿についての表明をする時に、13人目として現れたのが公暁でした。

この時は頼家が鎌倉殿に就任した時の、13人の合議制の人数とかけたものと思っていました。

しかし今回の副題を深堀していくうちに、最後の晩餐で13番目の席につき(キリスト+12人の使徒で13人)、キリストを売った裏切り者のユダを連想させるのも含んでいるのかなと思いました。

公暁は実朝と話した時、次の鎌倉殿の力になってくれと言われ、承知していたのですから、まさしく実朝を裏切ったことになります。

13という数字をキリスト教の忌み嫌う数字と絡めて、「審判の日」という副題をつけ、ほころびなく紡いでいく構成にしびれましたね~!


今後は実朝や仲章の死によって、頼仁親王を鎌倉殿にという話も流れてしまい、摂関家から形だけの鎌倉殿をむかえることになります。

義時が実質、鎌倉の実権を握ることに後鳥羽上皇はおもしろくありません。

後に、義時追討の院宣を出すこととなるのです。

実朝の死を境に、承久の乱への扉が開かれることになります。(ラッパは吹かれたと解釈できるのでは)


三浦義村もまた、三浦が滅びないように、計画がバレたと思うや否や、計画を取りやめます。

義村は、この時点で公暁を鎌倉殿にという考えは、なかばあきらめたことでしょう。

今後のなりゆきによって、どのような行動に出るべきか。

三浦義村にとっても、三浦を存続させるための決断を迫られる(審判の)日となりました。


公暁は計画を成し遂げた後、誰が本当の鎌倉殿になるべきなのかと声明文を出そうとしています。

北条のしてきた悪を公にさらし、御家人たちに審判させようとしているのです。

公暁にとっても、己の行動の是非が問われる審判の日となるのです。


政子は義時に自分のしてきたことを背負って生きるしかない、誰になんて言われようとひるんではならない、自分たちは正しかったんだと説かれます。

家族を失ってきた政子が、この先も同じような不安を持ちながら義時と共に政に加わっていくべきなのかどうか、結論を出さなければならない審判の日ともなりそうです。


関係する者皆が思い通りにならない一日。まさに神に試されている「審判の日」のようです。


副題にこめられたいくつかの意味を深堀するのは、【鎌倉殿の13人】を観る楽しみです。

みなさんはどんな考察をされたでしょうか。


あと白い犬の夢の意味は、雪の日(白い)の戌の刻(犬)に気をつけろという意味がこめられていたんですね。

ラスト4話!

いよいよ、最終回がどのようになるのか気になってきましたね。

今回の私の注目点
なおらん

義村の子・駒若丸はのちの三浦光村です。吾妻鏡の中で乱闘事件を起こし謹慎処分を受けたことが書かれています。とても血の気の多い少年だったようです。のちに宝治合戦で負けて自害する時も、敵に顔がわからないように自分の顔を切り刻んだという気性の荒さです。駒若丸役の込江大牙さんの顔つきもやんちゃそうな雰囲気を出していて、細部までしっかり作りこまれているなぁと感嘆しました。

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なおらん

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