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【どうする家康】第21話あらすじ・感想考察「長篠を救え!」|戦国版走れメロス〜徳川の戦いから織田の戦いに⁉︎

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武田勝頼が仕掛けた岡崎でのクーデター「大岡弥四郎事件」

なんとか阻止した瀬名と信康や家臣たち。

勝頼は岡崎城攻めをあきらめ、長篠へと向かうのでした。

第21話は長篠を救うべく奔走する者たちの話です。

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目次

【どうする家康】第21話 あらすじ

これ以上家臣たちに手出しされてはと危惧する瀬名。

裏で動いているであろう千代を、築山に呼び寄せて話し合いをすることに…

丁々発止の女の戦い

瀬名のたてた茶に手をつけるのをためらう千代。

腹を探るように切り出します。

千代

苦しいご胸中お察しいたします。もはや徳川は風前の灯火…頼みの織田様は、こき使うばかりで助けてはくれませぬしな。…武田はいつでも受け入れますよ、あなた様と信康様を。

あなたなら、勝頼様が妻として迎えるだろうと畳みかけます。

瀬名

お千代さん、だんな様は?

千代

とうに亡くしました。

夫を戦で亡くし、子もいないという千代です。

瀬名

それで忍び働きを?あなたも苦労しますね。

武田様が良くしてくれるし、性に合っているという千代に、瀬名は戦がなかったら違った暮らしができたであろうにと同情を見せます。

瀬名

あなたから幸せを奪ったのは、本当はどなたなのかしら。

瀬名は、お万に男に戦のない世は作れないと言われたことを思い巡らし、千代に二人が手を結べば何かができるのではないかと持ちかけます。

徳川のためでも武田のためでもなく、もっと大きなことができるのではないかと。

千代は茶碗を持つ手をぴたりと止めます。

千代

毒を飲まされるところでございました。

瀬名

毒など入っておりません。

千代

そのきれいな眼に引き込まれて、いらぬことをしゃべってしまう毒でございます。怖いお方でございますね。…今日はこのへんで。

瀬名

またおいでくださいませね。

千代は無言でほほ笑み、そのまま去っていったのでした。

兵糧攻めにあう長篠城

1575年5月、武田の大軍が長篠城を取り囲んでいます。

武田に兵糧攻めにされ、あと数日もつかどうかの瀬戸際に立たされているのです。

長篠城を守っているのは若き武将・奥平信昌(白洲迅)。

二年前に、父とともに武田から離反してきた者です。

それゆえ、武田の攻撃が容赦ないことも身に染みて感じているのです。

奥平信昌

しっかりせい、じきに助けが来る、必ずや徳川様がな。

しかし一人の家臣が、助けなど来ない、長篠は見捨てられたのだと言います。

そう暴言を吐くのは鳥居強右衛門勝商(岡崎体育)という小柄で毛深い男です。

口を慎めと言われても強右衛門の口は止まりません。

於愛

殿は、徳川に騙されたんじゃ。考えりゃわかるこっちゃ。徳川の姫が、こんな山ん中に輿入れするはずがねえ。

重臣にげんこつをくらい、逃げてばかりのろくでなしと揶揄される強右衛門です。

奥平信昌

強右衛門、わしはもう武田には戻れん。徳川様を信じるしかないんじゃ。

呼んでめえりましょうか?岡崎に走って徳川様に…食いもんがねえと、はよおいでくだせえと

谷川の底を潜っていくという強右衛門に、逃げる気だろといら立ちを見せる重臣たち。

しかし、ほかにやれるものがいないのも事実です。

信昌はこの男に賭けてみようという気になり、強右衛門は岡崎に向かいました。


強右衛門が岡崎に向かったことは武田本陣にも伝わります。

捕まえますか?

武田勝頼

行かせよ。


そう言い放つ勝頼の目は、企みに満ちているのでした。

長篠は餌⁉

家康は、左衛門尉、彦右衛門、小姓となった井伊万千代(虎松)とともに岡崎へとやってきます。

前日、長篠からの使者がやってきたと報せがきたのです。

すぐに手だてを考えようと、評議を開きます。

信康

狙いは長篠であったと。

平岩七之助親吉

長篠を奪われれば、奥三河一帯を奪われることに…

井伊万千代

それだけではございませぬ。武田から寝返ってくれた奥平殿を見捨てたとあらば、徳川の信用は地に落ちる。

小姓が口出しするものではないと家康にたしなめられる万千代です。

信康

何としても助けなければ…

しかし、三倍の兵力を持つ武田勢の前にのこのこ出て行けば、三方ヶ原の戦いの二の舞になってしまうのです。

井伊万千代

それこそが勝頼の真の狙い!いわば長篠は、我らを引っ張り出すための餌でござる

結局、なかなか兵を出してくれない信長に、助けを求めるしかないという結論に至ったのでした。

家康の賭け

数日後、信長は水野信元と佐久間信盛を家康の元に遣わしてきました。

上様は、徳川様のお力を信じておられる。皆様だけでなんとかできると。

信盛はそう言うが、三方ヶ原でさっさと逃げた二人を家康は信用できません。

家康

今すぐ助けに来なければ、織田と手を切る!

言い訳を並べて拒否する二人にうんざりした家康は、勝頼と組んで信長を攻めるとまで言い放ちます。

そう伝えますぞ!

家康

さっさと行かれよ!

強気で言い放つ家康を背に、激しい勢いで部屋を出て行ってしまった信盛です。

信康

…大丈夫でしょうか?

家康

びくびくするな。わしと信長は対等な関係じゃ!

威勢よく言ったものの、家康の手は震えているのでした。

三万の大軍勢の織田軍

井伊万千代

おい、来たぜ!織田勢が来やがった!

二日後、織田軍三万の大軍勢がやってきました。

それも、重臣たちを勢ぞろいさせてきたのでした。

信康

父上、賭けに勝ちましたな!

家康

わしが脅せばこんなもんじゃ!

意気揚々と答えた家康であったが…


家康

織田殿、よくぞおいでくださった、御礼申し…

いそいそと迎えに出た家康に膝をつき詫びを入れる信長です。

織田信長

徳川殿、再三の求めにもかかわらず、かように遅れたること、心よりお詫びいたす。

信康や瀬名に挨拶をし、五徳に対しても、瀬名や信康に無礼がないだろうなと釘をさす信長なのです。

戸惑う家康の耳元で秀吉のささやき声が…

秀吉

気ぃつけやーせ、お怒りでごぜーますぞ。

岡崎城での戦評定では、家康と信康に上座を譲り、家臣の並びに座った信長は、終始黙ったままです。

この戦は徳川の戦なのだから、徳川が指図しろと言うのです。

平八郎が示した作戦に、結構な作戦だと信長の代弁をするかのような秀吉の言葉に、胸をなでおろす家康です。

戦評定が終わり、信長たちが食事の間にさがったあと、険しい顔をした瀬名がやってきたのでした。

内密にしていた政略結婚

瀬名

殿、ちょっとよろしゅうございますか?

家の者には内密にしていた、奥平信昌と亀姫の婚姻話がばれてしまったのです。

奥平を繋ぎ止めておくために信長が進めている話です。

瀬名

どうして私や亀にお話ししてくださらなかったのですか?

家康

いや違うんじゃ。

信康

私は承服できませぬ。なにゆえ亀をあんなところへ行かさねばなりませぬか。

信康までもがかみつくありさまです。

五徳が、長篠とは山奥でけものしかおらぬところだと言うと、亀は震えあがります。

家康

皆、落ち着け、これはまだ決まった話ではない。信長が勝手に話を進めてしまったんじゃ。

信長に折を見て断るとはぐらかす家康です。

信長の脅し

信康

我が妹と奥平殿との婚姻の儀、なしとしていただきたく存じまする!

その夜の酒席で、なかなか切り出さない家康に業を煮やした信康が、口火を切ってしまいました。

家康もやむなく信長に手をつき、婚姻話はなかったことにしてほしいと願い出ます。

すると、信長に促された秀吉が家康に告げます。

秀吉

上様はこんたび、徳川様とのおん仲につき考え直されましてな。清須以来の盟約をこれにておしめえにすることといたしました。

家康と手を切ると言うのです。

なんとかとりなそうとする左衛門尉や数正だが、秀吉は続けて言います。

秀吉

今後、上様はいかなるお相手とも、対等な間柄での盟約はなさらんのだわ。

家康にも織田家の家臣になれと言っているのです。

従わなければ、今夜のうちに五徳を連れて岡崎を引き揚げると脅してきます。

事実上敵とみなされてしまうのです。

黙って聞いていた家康もついに切れてしまいます。

家康

なんたる仕打ち…これはあまりにも身勝手な取り決め!

織田信長

俺と手を切りたくければそうすればよい。勝頼と手を組んで俺を攻めたいのならそうすればよい。いっそのこと今ここで俺の首を狙ってみてはどうか。今ならとれるかもしれんぞ。

家康

これは…これは脅しじゃ!

織田信長

先に脅しをかけてきたのはお前だろうが。

家康

お前がちっとも助けをよこさんからだろうが!

織田信長

俺を脅すなど許さんぞ!さあ、決めよ、どうする家康!

桶狭間の戦い以来、多くの犠牲を払ってこの手で自分の国を守ってきたと自負する家康です。

家康

なにゆえ今さらお前の家臣にならねばならんのか!

織田信長

ならば、それでよい。

信長は立ち上がり、客間を出て行ってしまったのでした。

亀の決意と瀬名のフォロー

部屋の外で一部始終を見ていた強右衛門は、信長を追いかけ、その前にひれ伏します。

どうか、お帰りにならんでくだせえまし!長篠を救ってくだせえまし!

織田信長

奥平に伝えよ。徳川は長篠を見捨てた、武田に帰れと。

戻れんのでごぜえます。武田に戻りゃあ、えらい目に!

なおもすがりつく強右衛門を、信長の家臣が成敗しようとしたその時、亀が飛び出してきて、信長の前に手をつくのです。

お、お怒りをお静めくださいませ!

慌てて追ってきた家康と瀬名も亀をじっと見つめます。

亀のせいで、このようなことになってしまい申し訳ございませぬ。父上、亀はもうわがままを申しませぬゆえ、どうか仲直りしてくださいませ。

長篠は助けなければならない、奥平のもとへ喜んで参るという亀です。

娘の意を汲んで、瀬名も口添えします。

瀬名

我が夫は、織田様の臣下となるを拒むものではございませぬ。ただ、これは家臣一同にも関わる事柄ゆえ、よく話し合う猶予をいただきたいまで。…長篠を救うことを先になさってはいかがでございましょう。その後にお答えいたします。だんな様、そうでございますね。

織田信長

面を上げなされ。怒ってなどおりません。ほんの余興でござる。

信長は呆然と立ち尽くす信長の前に立ち言います。

織田信長

無論、長篠は助ける。

忠義の家臣・鳥居強右衛門

亀のおかげでことなきを得たことで、強右衛門は喜び勇んで長篠へと帰っていきます。

しかし、途中で武田軍に捉えられてしまいました。

信昌には、徳川は長篠を見捨てた、城を明け渡すべきだと伝えるようにと持ちかけられます。

そうすれば武田に召し抱えてくれると言うのです。

長篠城ではいよいよ食糧も尽き、皆力なく座っています。

その時見張りの兵の叫ぶ声が…

強右衛門じゃ!強右衛門が帰ってきたぞー!

来ん、徳川様は…助けに来ーん…わしらぁ見捨てられたあ。

強右衛門の報告に愕然とする信昌たちです。

強右衛門はじっと手を見て思い出します。

強右衛門の手を握り、奥平殿のもとへ参るのを楽しみにしておると言った亀のことを。

強右衛門は心の迷いを振り切るように、涙を払い、信昌たちの方を見据え言います。

う、うそじゃあー!殿ー!徳川様はすぐに参らっせるぞー!織田様の大軍勢と一緒だわー!まあちいとの辛抱じゃあー!持ちこたえろー!持ちこたえるんじゃあー!

強右衛門の裏切りを勝頼が許すはずもありません。

強右衛門は磔にされ槍を向けられているのでした。

殿ー!殿ー!徳川の姫はなあ、麗しい姫君でごぜえますぞー!…大事にしなされやー!そりゃまあ本当に素晴らしい姫君じゃあ!

にかりと笑い言う強右衛門を武田の兵の槍が突き刺したのでした。


その頃、岡崎城では、信長が上座に座り、目の前にある作戦を示した地図を一瞥し、平八郎が配置した駒をなぎ払い言います。

織田信長

これより、我が策を示す。

誇りを踏みにじられ、そっと信長を睨みつける家康でした。

つづく…

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【どうする家康】第21話 感想考察

「長篠を救え!」

先週の大岡弥四郎ほか家臣たちの裏切りをやった後に、忠義を貫いた鳥居強右衛門の話しを描くあたり、この時代は家臣たちの気持ちも揺れ動く混沌とした時代だったんだなぁと考えさせられます。

三河一向一揆での裏切り、三方ヶ原での命を賭けた忠義から綿々と連なる裏切りと忠義。
この一つ一つが、石川数正出奔の伏線となっているのではと思えてなりません。

あなたから幸せを奪ったのは、本当はどなたなのかしら。

戦で夫を亡くした千代に問いかける瀬名です。
どなたと言っている時点で、武田を指しているのでしょうけど、瀬名は個人を特定して言いたかったのではないのでしょう。
幸せを奪うのはいつでも戦なのだと。
男の政は戦ばかり。
ならば女である自分たちが手を組んで、戦をなくそうと持ちかけてるのだと思います。

瀬名は無謀なことかもしれないと思っているかもしれません。
しかし、武田の調略により家臣が裏切る様を見て、いてもたってもいられなくなったのではないでしょうか。
お万に言われたことがずっと心にあったからこそ、ここで同じ女である千代を呼び出し行動に出た…。

しかし、裏でこっそりと武田の者と会うのは危険な賭けです。
今後に起きることを考えると不穏でしかありませんね。

びくびくするな。わしと信長は対等な関係じゃ!

こう言う家康ですが、対等だったのは清須の時だけのことです。
信長は今や朝廷から従三位を叙され(昨年の大河の北条政子と同じですね☺️)、天下統一を成し遂げようとしている身分です。
家康は多分分かっているけど、ハッタリをかました手前、家族を不安がらせないためと自分を奮い立たせるために言ったんでしょう😓
家康の軽率な言動が、信長につけ込まれる原因となっていってしまうんですね。

今後、上様はいかなるお相手とも、対等な間柄での盟約はなさらんのだわ。

今まで対等な関係と思っていた家康にとって、いきなり殴られたような衝撃でしょう。
そして信長は、俺の家臣となるなら長篠を助けてやってもいいと言っているのです。

助けに来ない信長に対し武田と組んで攻めるぞと脅した家康ですが、完全に逆手に取られてしまったわけです。
駆け引きにおいては、信長の方が何枚も上手です。
信長は先の先まで読んでいたんでしょうね。
家康が折れざるをえなくなることも。

結局徳川の戦いであったものを、主導権を握り織田の戦いにしてしまったのです。
この戦いに勝つことによって信長の名声も一段と上がっていくわけですから。
戦いは勝ってからするもののいい見本ですね。
家康はまだまだ信玄や信長と比べると、足りないところばかりのようです😌

戻れんのでごぜえます。武田に戻りゃあ、えらい目に!

武田の家臣だった奥平信昌の妻・おふうと弟・仙千代は、人質として武田にいました。
しかし、家康の娘・亀との婚姻を提唱された信昌はおふうと離縁し、その後徳川に帰参します。(今川→徳川→武田→徳川と移っているのです)
それに怒った勝頼はおふうと仙千代を処刑してしまったのです。
二度と武田に戻ることなんてできるわけもありません。

ここで、信昌を責めるのは酷なことです。
奥三河は、武田と徳川の勢力争いで混沌としていた場所です。
お家を守るためにどちらにつくべきか相当悩んだであろうことは、容易に想像できます。
国衆の辛いところですね。
また、離縁したとはいえ妻と弟を殺されたため、勝頼憎しの気持ちがあってこそ、厳しい兵糧攻めにも耐え忍ぶことができたのではないでしょうか。

そんな主君の気持ちを汲み取ることのできる強右衛門は、間違いなく忠義の家臣ですね。

我が夫は、織田様の臣下となるを拒むものではございませぬ。ただ、これは家臣一同にも関わる事柄ゆえ、よく話し合う猶予をいただきたいまで。

ホント瀬名さんて賢い奥さんだよなぁ。
夫のピンチをしっかりフォローして、事なきを得るんだよね。
またも、瀬名のファインプレーで長篠を救えたようなものよね。

ただ一つ瀬名がもっと考えて欲しいのが、浜松に移って家康の側で暮らすこと。
瀬名がいつまでも岡崎にいては、五徳の気持ちを逆撫でするばかりなのよ。
古今東西、嫁と姑は近くにいない方がいいんだと思うんだけど…
幼い頃からケンカばかりしている信康と五徳を見てたら、心配で離れられないかぁ。
まあ、瀬名が岡崎にいたからピンチを回避できてるのも事実なんだよなぁ。
これではいつまでたっても家康とは暮らせないわな😓



鳥居強右衛門が歴史の表舞台に出るのはこの時だけです。
しかし、強右衛門の忠義に感銘した家臣・落合左平次道久が、強右衛門が磔にされた時の姿を絵に残し旗指物として使用していたそうです。

落合左平次道久背旗
落合左平次道久背旗


『徳川家康』では、鳥居強右衛門を上條恒彦さんが演じられていました。
髭こそ生えていましたが、引き締まった肉体美はなかなかのものです😊

また、亀はすでに信昌に嫁いでいて、夫と共に籠城しています。
時間軸が違うところが気になりますが、演出方法の違いによる差なのかもしれませんね。
 
40年前は家康と信長はこんなに険悪な感じでは描かれていません。
家康がとことんカッコいいのです😆
解釈によって描かれ方は違うけど、徳川から織田の戦いになったところは変わっていませんでした。

描かれ方の違う家康を見比べてみて、それぞれの家康の思考を巡らせてみるのもおもしろいものです。

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なおらん

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