先週の初回から主人公の母が刺し殺されるというショッキングな事件から始まった大河ドラマ「光る君へ」ですが、今回も陰謀や誤認逮捕というきな臭い出来事が続くとってもバイオレンスな大河ドラマとなりそうですね。
脚本家の大石静さんがインタビューで恋愛と権謀術策が渦巻くスリリングな物語にしたいとおっしゃっていましたが、序盤からゾクゾクさせられる要素がたっぷりで、今後の展開により期待が持てます。
第2話はまひろの母の死から6年後から始まるようです。
第2回人物相関図
【光る君へ】第2話 あらすじ
母の死から6年、成人したまひろ(吉高由里子)と父・為時(岸谷五朗)との関係は冷めきっていた。道長(柄本佑)の父・兼家(段田安則)はさらなる権力を得ようと…
「光る君へ」公式ページより
兼家の思惑
母の死から6年が過ぎ、15歳になったまひろ(吉高由里子)は成人を祝う裳着の儀式をむかえます。
藤原為時(岸谷五朗)は相変わらず、官職を得られないままで、藤原兼家(段田安則)から禄を得て東宮に漢文を教えています。
一方、兼家一族の三兄弟(道隆、道兼、道長)は順調に上級貴族としての道を進み、三郎は道長(柄本佑)と改め従五位下・右兵衛権佐という位を得ます。
道長の姉・詮子(吉田羊)は皇子を産んでいたが、円融天皇(坂東巳之助)との仲は冷え切っており、子のいない関白家の娘・藤原遵子(中村静香)を中宮とします。
実力者である兼家の増長を恐れての帝の判断でした。
兼家は詮子が産んだ懐仁親王(後の一条天皇)を東宮に、そしていずれは帝にと考えており、一日も早い円融天皇の退任を望んでいるのです。
そこで、兼家は詮子に親王を連れて東三条殿に戻ることを持ちかけます。
皇子を人質にとり、退位を迫ろうという魂胆です。
今、内裏を去るのは負け犬のようで気が進みませぬ。今少し考えさせてください。
気の進まない詮子は即答を避けるのでした。
六年後の再会
まひろはこの頃、和歌や文(主に恋文)の代筆をすることを生きがいとしていました。
高辻富小路の絵師(三遊亭 小遊三)の工房に通い、幕の陰に隠れ男子のふりをして依頼を受けるのです。
自分の文才への自信も芽生えたが、ある日それをくじく出来事に出くわします。
まひろが代筆した歌を想い人に贈った男が、突き返されたと言ってきたのです。
すぐに別の歌を詠んで渡したが、まひろの気持ちは晴れません。
帰り道、何気なく小石を蹴飛ばすと草履が飛んで、散学を見ている男の頭に当たってしまいました。
謝りに行くと、男は怒るどころか草履をまひろに履かせてくれるのです。
礼を言おうと頭を下げた時、足に傷跡があるのが見えました。
あなたはもしかして、足で字が書けますか?
子供の頃、足で名前を書くのが得意だったことはある。
まひろは三郎だと確信します。
互いに驚く二人の横を、散学一座の女形が通っていきました。
道長は、なぜ6年前の約束の日にここに来なかったのかとまひろに尋ねます。
…あの日のことは、思い出したくないの。だから話せない。
道長はそれ以上問い詰めません。
まひろ、お前はいったい誰なんだ?
まひろは絵師の工房で代筆の仕事をしていると教えます。
三郎こそ誰なの?偉くなりたい人?
この日道長は身分を隠すために庶民のような身なりをしていました。
道長は、今度話すと答えまひろが働いている絵師の工房へ行くと約束して走り去りました。
兼家の企み
数年ぶりに円融天皇が詮子のもとを訪れます。
帝の心を取り戻そうと文を出し続けていた詮子は喜ぶが、天皇はその文を投げ出し、見苦しいと言い放つのです。
そなたは国母となるやもしれぬ立場だ。そのことを忘れるでない。
去りかけた天皇に詮子は、東三条殿に下がると告げるが、天皇は懐仁親王は置いていけと答えるだけでした。
兼家は道兼(玉置玲央)に密命を与えます。
そなたは蔵人で、帝のおそば近くに仕える身。陪膳の女房を手なずけて、帝の食事に薬を入れさせろ。
命を奪うのではなく、体調を崩させて退位を望むように仕向けろと言うのです。
動揺する道兼に兼家は言います。
6年前、お前は家の名を汚した。
兼家は、道兼が人を殺めたことを知っており、口封じのために従者だった者を殺していたのです。
お前のおかげで、わしの手も汚れたのだぞ。父の信用を取り戻したければ、この仕事をやってのけろ。
必ずやり遂げると道兼は誓うのでした。
濡れ衣
まひろが代筆の仕事をしていることを、下女のいと(信川 清順)が為時に話してしまいました。
為時は激怒し、まひろに外出禁止を命じて乙丸(矢部太郎)に見張りをさせます。
さらに為時は絵師を訪ね、口止め料として米を渡し、口外することを禁じます。
そうとは知らず、まひろに会うため工房を訪れた道長でしたが、絵師に追い払われてしまうのです。
また、まひろの作り話だったのかと、道長は落胆します。
その日、まひろは乙丸が居眠りをしている隙に屋敷を抜け出します。
通りを歩いていると、若い男がまひろにぶつかり、詫びを言って去って行きました。
続いて放免たちが駆けてきて、男が逃げて来なかったかと尋ねます。
まひろはとっさに、さっきの男が去ったのとは逆の方向を指差しました。
すると、放免たちは偶然歩いていた別人を拘束してしまったのです。
話は獄で聞いてやる。
???…何をする???
濡れ衣を着せられたのは、道長でした。
まひろはそれに気づき、慌てて叫びます。
その人じゃありません!
道長もまひろの声に気づき、二人の視線が絡み合うのでした…。
つづく…
用語集 大河ドラマ「光る君へ」第2回
凝花舎(ぎょうかしゃ/[梅壺]うめつぼ)…後宮の殿舎のひとつ。壺(中庭)に紅白の梅を植えたことから「梅壺」ともいう。飛香舎(ひぎょうしゃ)の北に建つ。
蔵人(くろうど)…文書や道具類の管理などを行う朝廷に仕える五位と六位の官人。
蔵人頭(くろうどのとう)…天皇の秘書役をつとめる蔵人たちのトップ。定員2名。
検非違使(けびいし)…京都の治安を守る役職。
清涼殿(せいりょうでん)…内裏における殿舎のひとつ。天皇が日常生活する建物。紫宸殿(ししんでん)の北西に東面して建つ。
中宮(ちゅうぐう)…もともとは太皇太后、皇太后、皇后の住まいのこと。転じて三后の別称となる。皇后とほぼ同格。
女御(にょうご)…天皇の寝所に侍する后妃の位。皇后・中宮に次ぐ。女御は、親王または大臣の姫君。
別当(べっとう)…さまざまな所の長官。
放免(ほうめん)…検非違使(けびいし)の下で働く元罪人。犯罪者を探索し、捕縛や拷問を担当。
裳着(もぎ)…成人した貴族の女性が、はじめて裳(も)をつける儀式。男性の元服にあたる。
引用元 大河ドラマ「光る君へ」公式ページ特集より
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【光る君へ】第2話 感想考察
母の死から6年、成人したまひろと父の間には隔たりができているようです。
そんなまひろの裳着の儀で、まひろの帯を締めていたのが藤原宣孝、のちのまひろの夫となる人です。
これを見てると源氏物語で、藤壺に似ている若紫を引き取り、自分の理想の女性に育て妻とした光源氏の話を思い出してしまうのよね。
親子ほども歳の離れた2人ですが、まひろは父よりも親戚のおじさんの宣孝に心を許している感じがあります。
三郎のことが気になりながら、ここからどんなふうに夫婦となっていくのか気になるところです。
代筆で出した文を男が突き返されたと言ってきたシーン。
桜を一緒に見たことはないが、訪れた女性の家に夕顔が咲いていたと言ってましたね。
これは「どうする家康」最終話で南海坊天海が手にした「源氏物語 夕顔」の伏線回収のようでした。
作品をまたぐ小さなしかけは、視聴者をあっと驚かせ、大河ドラマファンにはめちゃくちゃ嬉しいものです。
また、随所に源氏物語を落とし込む脚本が、素晴らしいの一言につきます。
今回の散学で演じていたのも藤原家を皮肉ったもの、それも兼家一家の内情です。
そんな演目を見て笑っている道長は、自分の家のことだと分かって見ていたのでしょうか。
そうだとしたら、大海原のような懐の深い人間ですが、なんか分かってなさそうな感じもするんですよね。
これが道兼だったら演者たちみんな斬り殺されているに違いありません😱
道長と道兼の人としての器の違いを垣間みるシーンのようにも思えました。
弟よと言って道長に寄ってきた女形は、道長本人だと知っていて寄ってきてますよね。
この男は、放免に追いかけられていて、まひろとぶつかった男だと思います。
そして次回の謎の男に繋がる人物となることに⁉︎
何やらただならぬ匂いがプンプンしてきます。
最近の活躍がめざましい毎熊克哉さん演じるこの男が、まひろや道長とどのように関わってくるのか、次回からの見どころの一つとなることでしょう。
まひろと道長の恋愛に関係するのか、はたまた宮中の陰謀に関わるのか、予想できないだけに今からワクワクしちゃいます😊
そして今回一番の仰天ポイントは東宮(のちの花山天皇)のエピソードトーク‼️
母親と娘両方に手をつけてしまったことを自慢げに話していましたね。
足で扇子を開く妙技まで見せて😆
花山天皇の奇行エピソードは数々ありますが、実は父の冷泉天皇も奇行が多かったと言われています。
血は争えませんね。
『大鏡』や『古事談』に多く書かれているものだそうですが、事実だとしたらそうとうぶっ飛んだ天皇さんたちです😳
奇行に隠れて本心を見せないくせものの花山天皇(師貞親王)役の本郷奏多さん。
最近では、こういうくせの強い役がハマり役になってきましたね。
このあと、あれやこれやのエピソードをNHKさんで放送できるものなのでしょうか。
おもしろい人物だけにあますところなく、いやできるだけ取りあげて欲しいものです😅
身分を明かさず互いに惹かれ合うまひろと道長ですが、代筆の文を返されてしまった男が本当の自分を見せたことで恋が成就したのを見てまひろの心は揺れ動きます。
互いに身分を明かした時のことを考えるといたたまれなくなりますね。
自分の母を殺したのが、好きな人のお兄さんなんて…
そんな地獄回もすぐに訪れるのでしょう。
そのシチュエーションを妄想するだけで背中がゾクゾクしてきます。
そして前回、道兼の凶暴さが際立ってましたが、実のところ一番怖いのは藤原兼家です。
権力を得るためならどんなことをもやってのける。
娘や息子を犠牲にしてまでもやり遂げようとするあさましさ。
汚れた手で掴んだ権力に一体どんな未来が待ち受けているのでしょうか。
父と父に翻弄される子供たちの関係性も変わってきそうですね。
平安時代とは名ばかりで、宮中では陰謀が張り巡らされ、町では疫病が頻繁に訪れる時代です。
そんな時代にどんな形でも生き抜いた人々の話に、これからもどっぷりとはまっていきそうな予感のする第2話でした。
視聴者の感想(Xより)
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