不実な者でもかまわないという宣孝と夫婦となったまひろ。
心に誰がいようとも自分で選んだのだから、幸せになってほしいと思うのだが…
そんな折、日食と地震が同時に訪れるという禍が都に降りかかる。
不吉な出来事はいつまで続くのか…
第26回人物相関図
【光る君へ】第26話 あらすじ
- 長徳4年(998年)10月、日食と地震が同時に襲う
- 安倍晴明は左大臣の姫・彰子を入内させれば天変地異は収まると言う
- 詮子は入内させるべきと言い、倫子は大反対をする
- 定子が懐妊
- 道長は定子の出産の月に彰子を入内させると決める
- 倫子は彰子の入内を受け入れ、艶やかな彰子の後宮を作ると覚悟を決める
- まひろと宣孝は夫婦ゲンカをし、宣孝の足が遠のく
- まひろは石山寺詣をし、そこで道長とばったり会う
よきものとは
長徳4年(998年)10月、日食と地震が同時に都を襲います。
為時の家も被害を受けたが、まひろの夫となった宣孝のおかげですぐに修繕が行われました。
宣孝は贈り物を持ってたびたびまひろを訪ね、二人は仲睦まじく過ごしています。
大雨と地震の被害で都の死者数は100人を超え、道長は被災者の救援のための仕事に追われていました。
ある日、道長は晴明に天変地異はいつまで続くのかと問います。
一条天皇の心の乱れが収まれば天変地異も収まると答える晴明。
しかし、道長が諫めてもなお、一条天皇は中宮・定子がいる職御曹司に通いつめているのでした。
左大臣様はよきものをお持ちと申しました。よきものとは、左大臣様の一の姫・彰子様にございます。
彰子を一条天皇に入内させれば事態は好転すると晴明は言うのです。
私には見えまする。彰子様は朝廷のこの先を背負って立つお方。
驚き戸惑う道長。
彰子はまだ11歳でおとなしく無口な娘で、晴明の言うような力があるとは思えないのです。
道長はこのことを姉である詮子に相談します。
すると詮子は、晴明の言う通りにすべきだと言うのです。
道長もついに血を流す時がきたということよ。
これまで自ら手を汚すことなく、幸運が重なって地位を手に入れてきただけだと、道長に言い放つ詮子でした。
いけにえ
帰宅後、道長は倫子に、世の安寧のために彰子を入内させると切り出します。
倫子は、それでは彰子が不幸になると反対するが、道長は聞き入れません。
これはいけにえだ。手塩にかけた尊い娘ならばこそ、値打ちがある。
どうしても彰子をいけにえになさるなら、私を殺してからにしてくださいませ。
その後倫子は、母・藤原穆子の居室を訪ね、彰子の入内の件を涙ながらに語ります。
すると穆子は、入内すれば不幸になるとは限らないと答えるのです。
ひょっこり中宮様が亡くなったりしたら?何がどうなるかは、やってみなければ分からないわよ。
目を丸くする倫子に穆子は続けます。
中宮様は帝よりも四つもお年が上でしょ。今は首ったけでも、そのうちお飽きになるんじゃない?先のことはわかりませんよ。
一抹の不安
一条天皇はその後、体調を崩します。
蔵人頭・藤原行成に、譲位して定子と静かに暮らしたいと漏らすと、行成は在位のまま政に専念すべきと進言します。
さらに、中宮様以外の女御様方をまんべんなくめでられて、一日も早く皇子をもうけられませ。
一条天皇に皇子が生まれなければ、東宮・居貞親王の皇子である敦明親王が次の東宮となり、父・円融院の血筋は途絶えてしまうと説き伏せられ、譲位を思いとどまりました。
この説得は道長の命令によるものでした。
この日道長は、入内の件を彰子に伝えます。
しかし、彰子は驚くでもなく仰せのままにと答えるだけです。
事の重大さがわかっていないように見えるが、表情が乏しく口数も少ないのでとらえどころがあろません。
そんな彰子の入内に道長は、内心不安を覚えるのでした。
定子の懐妊
年が明け、元号が「長保」と改められます。
一条天皇は定子を内裏に招き入れました。
秘密裡に行われたことだったが、噂は宮中の人々に広まってしまいました。
その後、道長は晴明から、定子が懐妊したようだと知らされます。11月ごろに皇子が生まれるであろうと晴明は言います。
道長はあえてその月に彰子を入内させようと決め、一条天皇に申し入れます。
定子に執着する一条天皇は思い悩んだが、道長の影響力の大きさを考慮し了承しました。
倫子の覚悟
道長は倫子に彰子の入内が11月1日に決まったと伝えます。
中宮様のお加減がお悪いとの噂がございますけれど、まさかご懐妊ではありませんわよね。
ご懐妊であろうとも、入内は決行する。
ご懐妊ならば、その子を呪詛したてまつってくださいませ。呪詛は、殿のご一家の得手でございましょう。
そのようなことをせずとも、彰子が帝も内裏もお清めいたす。
それならば、自分も腹をくくると倫子は言います。
中宮様の邪気を払いのけ、内裏にあでやかな彰子の後宮をつくりましょう。
道長と倫子の思いは一つとなったのでした。
長保元年(999年)2月9日、入内に先駆けて彰子の裳着の儀式が盛大に行われました。
夫婦ゲンカ
ある日宣孝は、まひろから受け取った文をほうぼうで見せていると言い出します。
わしはお前のような学に優れた女を妻にしたことを、皆に自慢したいのだ。
まひろは恥ずかしいので、これまでに送った文をすべて返してほしいと宣孝に迫ります。
そうでなければ、お別れいたします。
何を言うておるのか分からぬ。
話がかみ合わず、腹を立てたまひろは宣孝を追い返してしまいました。
この日以来、宣孝の足は遠のきます。
ある日惟規は、清水の市で宣孝が若い女に絹の反物を買ってやっているのを見かけたとまひろに言います。
まひろと宣孝はその後、許す許さない、別れる別れないという文のやりとりをくり返します。
久しぶりに訪ねてきた宣孝は、絹の反物を土産に持ってきていました。
若いおなごに反物を買われたついでに私にも。ありがとうございます。
わしが悪かった。せっかく久しぶりに来たのだ。もっと甘えてこぬか。
私は殿に甘えたことはございませぬ。
さすがにこれは宣孝の癇に障ったようです。
お前のそういうかわいげのないところに、左大臣様も嫌気がさしたのではないか。分かるな~。
かっとなったまひろは、宣孝に向かって火取りの灰を投げつけてしまいました。
これ以降宣孝は、本格的にまひろの元から足が遠のきました。
石山寺
いとに宣孝に詫びの文を出してはどうかと勧められるまひろですが、悪いのは宣孝の方だと言い張ります。
いとはまひろに、自分を通すばかりではなく、相手を思いやることも大切だと諭すのです。
想いを頂くばかり、己を貫くばかりでは、誰とも寄り添えませぬ。
…己を曲げて、誰かと寄り添う…
そうでございます。それがいとおしいということでございましょう。
いととそんな話をしたまひろは、『蜻蛉日記』の著者である藤原寧子を思い出します。
兼家の妾として過ごしてきた日々について語ってくれたのは、さわと二人で石山寺に旅をした時のことでした。
まひろは、また石山寺を訪ねようと思い立ち、いと、乙丸、福丸、きぬを連れ旅に出ました。
本堂で熱心にお経を唱えたあとのまひろは、誰かが扉を開けてやってくるのを感じます。
…それは、道長でした。
つづく…
用語集 大河ドラマ「光る君へ」第26回
迦陵頻(かりょうびん)…雅楽の演目で、「林邑八楽(りんゆうはちがく)」の一つ。
『天文密奏』(てんもんみっそう)…異常な天文現象が起きたとき、陰陽寮の天文博士がその占いの結果を内密に天皇に知らせること。天皇以外のものが読むことは許されなかった。
裳着(もぎ)…成人した貴族の女性が、はじめて裳(も)をつける儀式。男性の元服にあたる。
引用元 大河ドラマ「光る君へ」公式ページ特集より
【光る君へ】第26話 感想考察
ずっとイケオジでやってきた宣孝が、こんなにも内面ゲスおやじだったとは…😣
自分と自分の近しい者以外どうでもいいような考えに、まひろがついていけないのももっともです。
価値観の違いというのは結婚してみなきゃわからないところもあるんですよねぇ😓
現代の離婚の多くも、こういった気持ちのズレを感じてしまった積み重ねからなのでしょうね…きっと。
父親と左大臣との間で揺れる道長
晴明に彰子を入内させることで天変地異は収まるであろうと言われた道長は、まるで信じられません。
無口で感情を表に出さない子が、そんな大それた使命を担っているなんて考えられないのも当然です。
いや、道長はとらえどころのない彰子がなぜって気持ちよりも、かわいい娘を政の道具として差し出すことに、父親として我慢ならなかったのでしょう。
ドラマ上、まひろとの恋愛感情に目が行きがちですが、道長はけっして家族をないがしろにするような人間ではなく、むしろ子煩悩でとてもいい父親のようです。
だが詮子に、これまで手を汚すことなく幸運が重なっただけで得てきた地位だと言われてしまった道長は、この時に娘を差し出す決心をしたのでしょう、「いけにえ」として。
左大臣家が手塩にかけて育ててきた娘を朝廷の浄化のために差し出す、これほど効き目のあるものはないだろうと自分に言い聞かせるための「いけにえ」という強い言葉になったのだと思います。
その言葉には、一条天皇に対する憤りも感じずにはいられません。
ここ数話の一条天皇はふぬけ野郎で、観ていても腹が立つほどです。
道長が三度も辞表を出して諫めたのにもかかわらず、いまだ職御曹司に入りびたり。
それどころか内裏にまで呼んでしまうとは…
それが、彰子を差し出さなければならない大元の原因なのだから、父としても左大臣としてもはらわた煮えくりかえる感情があったとしても否定できません。
しかしこの決断で道長は、左大臣としてまた一段成長をしていくのも事実なのでしょう。
前半葛藤する道長と、覚悟を決めた道長では風格が違って見えます。
まひろと倫子
かたくなに彰子を入内させることに反対をしていた倫子でしたが、母・穆子の考えや道長の思いと考えを知り彰子を入内させる覚悟を決めます。
すごいですよねぇ、倫子さんは。
入内させるだけにとどまらず、あでやかな彰子の後宮を命がけで作ると宣言してしまうんですから。
自分の心に捕らわれすぎず、柔軟に対応する資質を持っている証拠です。
覚悟を決めた倫子ほど強い者はいませんね😆
そして、道長の心の中に誰かほかの女性がいると確信めいていたとしても、それをおくびにも出さず子を育て、道長を支え続けています。
倫子の方が道長を好きになってした結婚にもかかわらずです。
妾以外に夫の心を捉えて離さない女がちらついていたら、嫉妬に狂ってもおかしくはないでしょう。
しかし、倫子はどんと構えています。
道長の嫡妻(左大臣の妻)として、身分、人格、行動力、これほど適した女性はいないでしょう。
一方のまひろは、宣孝が若い女と清水の市にいるのを見たと聞いて、内心穏やかではありません。
まひろ自身気づいていないようだけど、嫉妬しているのです。
倫子と比べると、なんという器の小ささなんだろうと思ってしまいます。
まひろは、久々に宣孝がやってきても嫌味を言ってしまいます。
素直に甘えることもできず、可愛げのないことを言って宣孝をイラっとさせてしまいます。
宣孝が嫌味を返したくなるのも分かるってもんです。
しかし、夫婦喧嘩は犬も食わぬと言いますが、この二人の方が夫婦ぽいっちゃあ夫婦っぽいんですよね😅
左大臣の妻の倫子と一貴族の妻となったまひろ。
あらゆる面での格の違いをまざまざと見せつけられた回でした。
詮子の重き言葉
道長に彰子の入内を相談させられた詮子の言葉が、グサッと刺さり思わず涙が出てしまいました😢
いつもきれいなところにいる道長に身を切れと言う詮子です。
道長大好きな姉ちゃんの言葉とは思えない厳しさがあります。
道長のことが大好きだから、もっと強かであれと檄を飛ばしてるように感じます。
娘をかばい良き父の顔をして、苦手な宮中の権力争いから逃げていると道長は見透かされているのです。
「私は父に裏切られ、帝の寵愛を失い、息子を中宮に奪われ、兄上に内裏を追われ、失いつくしながら生きてきた。お前もついに血を流す時がきたということ」
自分の愛する者からの愛を失い続けてきた詮子の言葉は、とても悲しく心に残る言葉です。
しかし、吉田羊さんの演技には悲しみの微塵さえも感じません。
己を信じ、強い心を持って即行動に移してきた詮子だからです。
道長はこの言葉によって、彰子を差し出す覚悟を決めたのだと思います。
己の甘さを気づかせてくれた姉、自分のことが好きでずっと見てきてくれた姉の言葉は、道長の心に大きく響いたことでしょう。
姉・詮子は道長にとって、とても大きな存在ですね。
一条帝の四納言
今回、一条帝の四納言が初めて一堂に会する場面がありましたね。
盛大な彰子の裳着の儀のあとで酒を酌み交わしていました。
それぞれが道長をどう考えているのかがわかる場面でとてもおもしろかったです。
公任が心から(少し皮肉めいた感じもありつつ)道長にはかなわぬと言うと、心底道長を崇拝している行成は、まことにそう思いますと純粋な気持ちで言い、源俊賢は長い物には巻かれろ的な感じを携えながらのそう思いますを言い、斉信にいたってはあくびを返すのみです😆
これらの表情が今後どういった行動に転嫁していくのか、どんな伏線となりうるのかとても楽しみです。
宣孝とけんかをし、いとに忠告を受けたまひろが思い出したのが、『蜻蛉日記』を書いた藤原寧子と出会った石山寺でのこと。
皆で行った石山寺で、運命のように導かれてしまうまひろと道長。
とっても気になる終わり方だけど、なんと来週はお休み😭
目の前に人参ぶら下げられて走ってる馬のような気分だわ😠
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