1564年、空誓と和睦し本多正信を追放して一向一揆を鎮めた家康は、三河国内の支配を一気に強めます。
さらには、今川方の国衆たちへの調略も少しずつ進めていくのでした。
三河一向一揆後の史実背景は…
- 三河一向一揆を平定(1564年)
- 大原資良の吉田城を攻略し、三河を平定(1564年)
- 里見義弘が北条氏康に国府台で敗れる(1564年)
- 三好長慶が飯盛城で死去(1564年)
- 室町幕府第13代将軍・足利義輝殺害される(1565年)
第10話は三河一向一揆後の周辺国の動きと家康の側室問題に関する話です。
【どうする家康】第10話 あらすじ
今川方の国衆の一つ、遠江(現在の静岡県西部)に引間城があります。
家康は左衛門尉を連れ、城主・飯尾連龍を訪ねました。
引間城主・飯尾連龍
「これからは松平殿とともに歩みとうござる」
今川の国衆である連龍の言葉は、今の家康にとってはありがたく心強いものです。
家康も連龍も今川と戦をしたいわけではありません。
連龍は今川と松平の間をうまく取り持ちたいと考えているのです。
左衛門尉は友好的な連龍の考えに気を許し、えびすくいを披露しようとします。
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220512163533-300x312.jpg)
左衛門尉さん、とうとう外交の場でもえびすくいを出してきましたね。
しかし、家康には気になることがあるのでした。
「ときに連龍殿、奥方様は息災でござろうか」
連龍の妻は瀬名の幼なじみのお田鶴です。
二年前、家康は瀬名と子らを救うために、田鶴の兄・鵜殿長照を討っています。
それこそが、家康の気がかりでした。
連龍は、田鶴もこの世の常のことなのでわかっておる、今はあいにく風邪をひいていて出てこれぬと言います。
しかし、奥の間では外を眺めているお田鶴の姿が…
築山
家康は、瀬名に岡崎城近くの築山に庵を与えます。
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220511211227-300x306.jpg)
それで瀬名は築山殿って呼ばれるようになったんだね。
瀬名が煎じてくれた薬草を、家康が苦手ながらも飲むという、のんびりほのぼのとした時を過ごしています。
瀬名はここを誰もが気軽に立ち寄れる、民のための場所としたいと思っているのです。
一向一揆で民の声を聞くことの大切さを感じ取り、里で民の悩みや願いを聞き家康に届け、里と城の橋渡しをしたいと考えています。
「お方様、客人がお見えでございます」
すぐに通してしまう瀬名の寛大さに心配する家康です。
「不用心はいかん。どこの者じゃ」
「於大の方様で…」
招かざる客…誰が止めても無駄な人の訪れでした…
嫁と姑で側室選び⁉︎
「大事な話をしに来たのじゃ。殿もご一緒で好都合……で、次のお子はいつお産みやる?」
困惑する瀬名に、追い討ちをかけるように於大は続けます。
「お瀬名殿、そなたがもうおなごとして、しまいということじゃ。……齢は関わりないのですよ。産まなくなったらご用済みなのです」
絶句する瀬名です。
あけすけに言う於大ですが、子が二人では何かあった時に心もとないから、側室を持ってどんどん子をもうけろと言うのです。
側室などいらぬと断る家康ですが、松平家を磐石なものにするためだと於大は譲りません。
言い合いをする家康と於大。
家康に冷たくあしらわれ帰ろうとする於大を、瀬名が呼び止めます。
「側室選びは、この瀬名にもやらせてくださいませ」
さっきまで殴り合いになろうかという険悪な雰囲気だったのに、なぜか意気投合する嫁と姑でした。
側室面接⁉︎
数日後、築山で側室候補の面接が行われました。
我こそはと並ぶ列にはお梅やお杉もいます。
それだけ家康の側室になるということは、女たちにとって魅力的なことなのです。
上座に家康が座り、横には瀬名と於大、手前には左衛門尉までいます。
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220512163533-300x312.jpg)
まるで就職面接ですね。
たくさんの女たちが来ましたが、年が若すぎたり、年輩だったり、色気ムンムンの女だったり…。
家康はまんざらでもなさそうだが、瀬名と於大の目にかなう女はなかなか見つからないのでした。
お葉を側室に
そんな時、瀬名は城で下働きをしているお葉(北香那)という女を知ることとなります。
表情一つ変えず、鉈で猪をさばくような、ほれぼれするような勇ましい女です。
お葉は、鵜殿の分家の娘で、普段は無口で影が薄いものの、働き者で万事にそつがない。
長照を討ったことを恨んでいるのかと思いきや、城で下働きさせてもらっていることに感謝していると言うのです。
渡辺盛綱が手をつけようとした侍女を救うなどの武勇伝もあり、城勤めの娘たちの中にはお葉に憧れている者もいるようです。
瀬名の目からしても、申し分のない女性でした。
於大も気に入ったのだが、当の家康が逃げ腰に…。
「なんとのう不気味で、怖い」
「とにかく、これはもう決まったことでございますから」
「強い子をたくさんつくりなされや」
瀬名と於大は口々に言うと去っていったのでした。
お市の結婚
数日後、家康が築山を訪れると、瀬名がけらけらと笑っています。
「ケッツに敷いとった草履をあわてて差し出ぇて、殿のために温めとりましたぁ!とちょーらかして!本当はケッツを温めとったんだわ!」
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220511211227-300x306.jpg)
藤吉郎の美談をこんな風に解釈するとは…この下品な藤吉郎ではありえそうです(笑)
大げさな身振り手振りで話しているのは木下藤吉郎です。
藤吉郎が伝えたいことがあると言うので、家康がこの場を指定したのです。
「お市様が嫁がれましたに」
嫁ぎ先は北近江の浅井長政だと言います。
西の浅井と東の松平がしっかりと役目を果たしてくれたら、信長はもっとどえりゃあことができるようになると言うのです。
帰り際に藤吉郎にほんとは悔やんでいるだろうと言われ、ドキッとする家康です。
お葉の出産
控えめでありながらよく気のつくお葉を、家康もいつしか愛しく思うようになります。
寝所に呼ぶ日も多くなり、やがてお葉は女の子を産みます。名は「ふう」とつけられました。
「もっともっとお産みなされ、次は男児じゃ」
急かすような於大の口ぶりに、家康は、まずはゆっくり体を休めよとお葉をいたわります。
そのやわらかな表情は、以前は瀬名だけに向けられたものでした。
今やすっかりお葉は家康にとってなくてはならない存在となっていたのです。
築山へ行ってもお葉をほめたおす家康。
わざわざ今夜も呼んでいいかと瀬名にたずねるありさまです。
お葉を気に入ることが瀬名の気持ちをかき乱していることに気づかぬ家康なのでした。
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220512164559-300x311.jpg)
この頃の家康さんは、女心というものがまだわかってないようですね。
お葉の告白
「これにて側室の勤め、おしまいにしていただきとうございまする」
お葉との生活がずっと続くと思っていた家康は、突然の言葉に面喰らいます。
理由を聞くと、好きな相手ができたと言うのです。
激怒した家康は、その者を今すぐ連れて来いと…。
お葉がしかたなく連れてきた者を見て驚愕する家康。
それは侍女の美代だったのです。
本当は昔から殿方が苦手で、下働きをしていたのもそのせいだったと言うのです。
側室となってからは、殿に触られるたびに吐きそうになったと…
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220512163928-300x310.jpg)
吐きそうって…そこまで言ったらいくらなんでも家康がかわいそうです。
最初は激怒していたが、相手を知って毒気を抜かれた家康は、すべてを自分の胸に収めることに。
その報告をなにやら嬉しそうに聞く瀬名でした。
動き出す運命の歯車
その頃、京では将軍・足利義輝が殺されるという政変が起きます。
報告を受けた信長の顔はいつになく険しくなります。
一方、甲斐では武田信玄が上杉との戦に見切りをつけ、新たな獲物に目を向け始めたのです。
「今川氏真の家臣、ことごとく調略せい…東海の都ともいうべき駿府…欲しくなったわ」
その駿府では氏真がやつれた顔で、庭に伏した飯尾連龍をにらみつけています。
「余は…裏切り者は決して許さぬ」
裏切ることなどしてはいないと弁明する連龍だが、誰かが、家康と通じていると報告したのです。
それは、あの日家康と連龍の話を、奥の間で聞いていたお田鶴でした。
連龍は信じられぬ思いを拭いきれぬまま、背後にいる岡部元信により斬られたのでした…。
その頃、家康の元に一通の書状が。
武田信玄からの会おうというものでした…
つづく…
\ガイドブックがあるともっとドラマを楽しめるよ/
![](https://naoranblog.com/wp-content/plugins/pochipp/assets/img/pochipp-logo-t1.png)
【どうする家康】第10話 感想考察
「側室をどうする!」
三河一向一揆の重い回の後の今回は、コメディ満載の軽めの回だったようですが、問題となる要素もチラホラと。
いくつかピックアップしてみます。
「産まなくなったらご用済みなのです」
於大のこの言葉は大多数の女性視聴者を敵にまわしたことでしょう(>_<)
私も観ていて、於大さんそれはないでしょうとおもわず口から出そうになりましたもん😅
しかし、時は戦国時代。子供でさえ、いつ命を落とすやもしれない。
於大が子をたくさんもうけろ、できないなら側室を持てと言うのも無理からぬことです。
お家を存続させるためには、何があってもお家がつぶれないように子をたくさんもうけることが最重要になってくるのでしょう。
瀬名に子ができなかったのは、環境の変化によるものか、それともこの頃から家康との距離があったことを暗にしめしているのか。
於大からのプレッシャーも遠因としてあるかもしれませんね😂
それにしても於大さん強すぎます😅
彼女が男だったらイケイケオラオラの猛将になっていたんじゃないかしら🤣
あまりにもあけすけに言う於大に、瀬名は最初はカチンときたものの、於大の言うことに一理あることもわかっているはずです。
なので、せめて側室選びは自分にもやらせてくれと言ったのでしょう。
正室としての意地もあったのかもしれませんね。
瀬名にとっては、自分が選んだ側室だとしても、夫の口からお葉の話が出ることがおもしろいわけありませんよねぇ。
家康は家臣の気持ちも(三河一向一揆においての)、女の気持ちもわからないわけで…
どんだけ未熟なお坊ちゃまなのでしょうか😣
人質生活を二度も経験した苦労人とは思えませんね😒
これが神君と言われるようになるのですよ。
今はまだ発展途上中の殿様のようです😅
お葉の好きな人が女性だったという展開
奇しくも、昨年の「鎌倉殿の13人」でも源実朝の同性愛者であることの悩みが描かれていました。
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/10/5937e7bc0d1a2e5bcab9659d6a27650a.png)
実朝に関しては、そうだったのではないかと思われるフシもあるんですが、西郡局(お葉)に関する資料は見当たりません。
今後たくさんの側室をもうけるためにいったんここでお葉を引かせるための、創作エピソードのような気がします。
そこへ、LGBT問題を差し込むあたりに、古沢さんのチャレンジ精神が感じられます。
去年は、和歌を使ったりしてやんわりと泰時LOVEを描いていましたが、今回は直球勝負できましたね。
「触れられるたびに吐きそうだった」とハッキリ言わせて🤣とてもわかりやすく。
古沢節爆裂です。(描き方に好き嫌いはあると思いますが、これが古沢さんの色なのです)
また、好きな人が女だったとわかった時点で、胸の内にしまう家康のやさしさと度量の深さも表れていましたね😊
氏真だったら即刻お手打ちでしょう😱
二年続けて同性愛について取り上げられると、いつの時代も誰も苦しむことのないやさしい時代であってほしいと願うばかりです。
お田鶴の心は…
夫・連龍が家康と通じてしまったことを、氏真に報告してしまうお田鶴の心の内はどうだったのでしょうか。
家康は兄・鵜殿長照を討ち、幼なじみの瀬名も奪っていった憎き相手です。
夫まで調略されてしまったらどうしようと不安になって、なんとかならないものかと氏真に報告したのではないのかなぁ。
それとも根っからの今川っ子だから、夫といえども敵と通じたことが許せなかったのか。
瀬名たちが忍びの者にうばわれると分かった時、助けようとして氏真に報告した田鶴です。
まさか牢屋に捕らわれるとは思ってもいなかったのです。
そこでの経験があるから、同じ過ちはしないか🤔
悪気のない行動によって愛する者を窮地に追いやってしまった。
その方がいいです。
妻が夫を差し出すようなことをするなんて悲しすぎます😭
今後、どんな気持ちで女城主となって城を守ろうとするのでしょうか。
うーん🤔それにしても私にはなんとも理解しがたい不思議な女性です。
不気味すぎるよ藤吉郎
ムロさん演じる木下藤吉郎は下品極まりない😂
信長の草履を懐に入れて温めていたという有名エピソードを、実はたまたまで、藤吉郎の機転の効いた嘘に置き換えたことにもこの下品さが活きてますね!
そして、時折見せる真剣な眼差しが怖い怖い😱
秀吉の不気味さが、藤吉郎時代から如実に表れていて、ドラマの後半に向かうにつれおもしろさが倍増しそうな予感です。
信長の腕力どんだけ〜
弓を振りかぶることなく目線で引き、矢を連射するってすごくない⁉️
どんだけ腕力ありあまってるの😱
いやいやこんなん相手に絶対勝てないでしょー!
ある意味明智光秀のやり方は正解だったのかもね😓
動き始める羽車
京及び周辺諸国が動き始めました。
何より将軍・義輝の殺害は大きな事件です(永禄の変)
義輝の死は室町幕府の衰退を加速させ、天下人への激レースがここから始まるのです。
歴史の大きな波も押し寄せ、ドラマもさらにおもしろくなっていくことでしょう。
か弱き白兎・家康、これからも狼や虎や猿に負けずに、くじけず頑張れー‼️😁
✳️一口メモ
「麒麟がくる」で室町幕府13代将軍・足利義輝を演じていたのが向井理さん。
襲撃され討ち死にした、最期のシーンは圧巻でした。(24話「将軍の器」冒頭から描かれています)
ぜひ一度ご覧になってみてください‼️
U-NEXT の無料トライアル期間中に観るのがお得ですよ🉐😊
Twitterでのみんなの感想
ムツゴロウさんかな😂#どうする家康 pic.twitter.com/VZBw8VTQTD
— 弾正 (@naoejou) March 12, 2023
これはあのときの吾妻鏡‼︎
— かかまつ (@kakamatsukk) March 12, 2023
鎌倉殿最終回で吾妻鏡を読む松潤家康がフライングでサプライズ登場。テロップでは永禄7年と示されました。
今回の「10ヶ月後」、次女の督姫(ふう)が産まれたのは永禄8年と伝わります。
あのテロップの年にはやはり意味があったのですね。#どうする家康#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/8LIB9ORvfw
#どうする家康
— 天地百八❖ (@TenkouTisatu108) March 12, 2023
←正妻自ら夫の側室を探す大河
夫の愛人の家を焼いた大河→#鎌倉殿の13人 pic.twitter.com/bbYZSnINwV
なぜだろう?
— ねこねこ (@nekoneko333) March 12, 2023
主人公に妻が薬を飲ませるとドキドキするのだが…#鎌倉殿の13人#どうする家康 pic.twitter.com/trWNCVfpWY
※ イチャイチャタイムです。暗殺現場ではありません#どうする家康 pic.twitter.com/n5XBakCyyv
— アラライ (@ararai_ararai) March 12, 2023
自分の知らないところで妻から母親に性癖を暴露されてしまうかわいそうな神君家康公 #どうする家康 pic.twitter.com/0ebZhmaiND
— キヨソネ 或いは KYは静かに眠りたい (@kysn) March 12, 2023
霧がかかり、周囲が見通せぬ駿府。
— かかまつ (@kakamatsukk) March 12, 2023
偉大な父・義元亡き後、領内では今川家からの離反が相次いでいました。
信長の城が何とも禍々しいことは家康の心象風景だからだと解説されていますが、このシーンも、やつれ果て一歩先をも見通せない氏真の辛い心のうちを表しているのでしょうか。#どうする家康 pic.twitter.com/JoQTe6iPSp
コメディ回のようでいて、とてつもない情報量だった…
— NobunagA (@NobunagA_A) March 12, 2023
家康が薬作りを好んだのも、瀬名の影響だった…にしてきたか!
吾妻鏡が出てきたり、鎌倉殿繋がりを感じさせる性描写でもあった。
この世界線が鎌倉殿と繋がっているのなら、家康がお葉の気持ちを尊重してもおかしくない。#どうする家康
![](https://naoranblog.com/wp-content/uploads/2022/05/20220512175010-300x311.jpg)
過去の大河ドラマや見逃し配信を観るならU-NEXTのNHKまるごと見放題パックがおすすめです❗️
\U-NEXT 31日間無料トライアル 下のボタンから申し込みできます/
![PVアクセスランキング にほんブログ村](https://blogparts.blogmura.com/parts_image/user/pv11107756.gif)
コメント