ドラマのハイライトシーンとなるであろうと予想していた道長の詠んだ「望月の歌」。
「望月の夜」とした副題に、納得と驚きの演出でした。
ちなみに今回の演出は黛りんたろうさんです。
第44回人物相関図
【光る君へ】第44話 あらすじ
三条天皇の申し出
- 長和4年(1015年)10月、三条天皇は道長に、姫皇子・褆子を頼通に嫁がせたいと告げる
- 道長が断っても三条天皇は引き下がらない
道長は、譲位を引き延ばすための策だと分かっていても、帝の望みなのでこれ以上断ることはできない。
- 倫子と道長の説得も頼通は頑なに拒否
「そのようなことを父上と母上が私にお命じになるなら、私は隆姫を連れて都を出ます‼藤原も左大臣の嫡男であることも捨て、二人きりで生きてまいります‼」 - 彰子は褆子と頼通の結婚に反対する
褆子内親王は名ばかりの妻となり、かつての自分のようだと気の毒に思う。
「帝も父上も女子を道具のようにやったり取ったりするが、女子の心をお考えになったことはあるのか?……この婚儀は誰も幸せにせぬと胸を張って断るがよい」
- 道長は妍子を訪ねる
三歳になる娘・禎子と暮らす妍子は酒に溺れている。
「父上の道具として年の離れた帝に入内し、皇子も産めなかった私の唯一の慰めは、贅沢と酒なのでございます」
- 道長は、三条天皇からの二人の婚姻の問いに、政務が忙しくて頼通に会えていないと言い訳する
- 三条天皇は交換条件を出す
道長を左大臣のまま、准摂政として政を委ねると言い出す。
↓
陣定にも出られ、除目も官奏も思いのままになる。
三条天皇は翌日、道長に准摂政の宣旨を下す。
三条天皇、譲位の条件
- 道長は教通に命じ、頼通は伊周の怨霊によって重病に冒されているという噂を流す
頼通と褆子内親王の婚姻を諦めさせるため。
- 三条天皇にも噂が届く
「万策尽きたか…」
- 落胆する帝に実資が進言する
「東宮に敦明様を立てるなら譲位しよう。それ以外の皇子なら譲位はせぬと仰せになればよろしゅうございます」
「そういたそう。そなたは唯一の朕の忠臣であるな」
- 三条天皇は、敦明を東宮とすることを条件に譲位を受諾
後一条天皇即位
- 彰子の子・敦成親王は九歳にして即位することとなる
- 長和5年(1016年)2月7日、後一条天皇の即位礼が執り行われる
道長は名実ともに頂点に立ち、彰子は国母となった。
親世代のその後
- 7月、倫子の母・穆子が86歳で世を去る
夫は左大臣、娘婿は摂政、ひ孫は帝という栄華を極めた生涯でした。
- 為時は、出家を決意
寺には入らずちやはと惟規の菩提を弔いながら余生を過ごしたいと言い、三井寺で出家する。
時代の節目
- 道長は、摂政と左大臣を兼務
- 公卿たちは道長に権力が集中しすぎていることに懸念
公任は内裏の平安を思うならば、左大臣を辞すべきと道長に助言する。
- 道長はまひろに、政から身を引くつもりだと吐露する
「摂政と左大臣を辞そうと思う。摂政まで上っても、俺がやっておっては世の中は何も変わらぬ」
「摂政におなりになってまだ一年にもなりませんのに」
- 道長は、摂政の座を頼通に譲ると決める
「頼通様に、あなたの思いは伝わっておりますの?」
「俺の思いを伝えたところで、なんの意味があろう」
「頼通様に伝わらなくても、いずれ気づかれるやもしれませぬ。そして次の代、次の代と、一人でなせなかったことも、時を経れば成せるやもしれません。私はそれを念じております」 - 二人の前に突然現れる倫子
「お二人で何をお話しですの?」
「政の話だ」
皇太后様の考えを知っておかねば政はできぬと道長は答える。
「藤式部が男であれば、あなたの片腕となりましたでしょうに」 - 道長が去ったあと、倫子はまひろに道長のことを書いてくれないかと頼む。
「清少納言が枕草子を残したように、我が殿の華やかなご生涯を書物にして残したいのよ」
すぐには返事をしないまひろ。
- 寛仁元年(1017年)3月、頼通は道長に代わって、後一条天皇の摂政となり、内大臣と兼務する
左大臣には藤原顕光、右大臣には藤原公季が任じられる。
- 頼通は、威子に後一条天皇に入内してほしいと頼む
威子は19歳、後一条天皇は10歳と年齢差があるため、威子は嫌がったが、翌年の春に入内する。
- 三条院が42歳でこの世を去る
- 父を失い、先行きに不安を覚えた敦明は自ら東宮を降りる
望月の歌
- 寛仁2年(1018年)10月、彰子は太皇太后、妍子は皇太后、威子は中宮となる
三つの后の地位を道長の娘たちが占めた。
- 土御門殿で祝いの宴が催される
道長が三人の后を目の前にして言う。
「今日のよき日を迎えられましたこと、これに勝る喜びはございません。心より御礼申し上げます」
妍子はさめた反応を見せる。
「父上と兄上以外、めでたいと思っている者はおりませぬ」
威子は返事もせず、彰子が答える。
「頼通が、よりよき政を行えるよう、願っておる」
- 宴もたけなわという頃、道長が歌を詠む
「このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたることも なしと思へば」
- 道長は実資に返歌を求める
あまりに優美な歌で返歌は詠めないと言い、代わりに皆でこの歌を唱和しようと呼びかけた。
つづく…
【光る君へ】第44話 感想考察
ひゃー、とうとう修羅場か⁉︎とヒヤヒヤさせられたまひろと道長の二人だけの局へ倫子さん登場場面😱
道長の対応が見事でこの場を乗り切ったようですが…
道長って絶対いくつか想定問答用意してるよね😏
だけど、絶対に倫子は道長の想い人はまひろだと確信しているはずで。
倫子の手のひらで踊らされている道長が滑稽であり愛しくもありです😊
望月の歌の解釈
「このよをば わがよとぞおもふ もちづきの かけたることも なしと思へば」
道長が詠んだ超有名な「望月の歌」。
このよをば〜の「よ」が夜なのか世なのかで意見が分かれているようです。
ガイドブックでは、「このよ」は「この夜」を指し、「もちづき」は三人の后を表していると解説しています。
しかし、テレビの字幕では「この世」と出ていました。
紀行で出ていた実資の書いた小右記にも「世」と書かれていましたね。
私が思うには、道長は二つの意味をかけて詠んだのだと思います。
よくある手法ですね。
ゆえに私はあえてひらがな表記にしてみました。
ドラマ内で道長は「今宵はまことによい夜だ。歌を詠みたくなった」と言っています。
このことからも、この素晴らしい夜を歌にしたいという思いがくみとれます。
そしてよき夜としたものは、疑うことなく「一家三后」を成し遂げたことからくるものなのです。
最高権力を得て帝まで輩出し、誰も成し遂げたことのないことを成し遂げた今、この世は私の世となったようだとちょっぴり浮かれるのもわかるってもんです。
お酒も入っていたので気分も良くなっていたのでしょう☺️
実際の道長はきっと多くの人が思うように、自分の栄華を誇った歌を詠んだのだと思うのです。
なぜか私は道長という人物に、人前で浮かれて自慢しちゃうような茶目っ気さを感じてしまうんですよね😅
自慢話を聞かされた相手のことなど気にもしない鈍感さ、もとい豪胆さというか😅
どちらかというと兼家の血を一番濃く引き継いでいるような。
そんな肝の太い人だからこそ、こんな大それたことができるのだと思っていたのです。
ですが、大石静さんが描く道長は今まで見てきた通り真逆で繊細で、それを柄本佑さんが演じることで見事なまでに勝手な私の道長像は崩されたのでした。
これを踏まえた上での今回の「望月の歌」の味わい方は、副題にも込められた「望月の夜」の伏線回収で決まりでしょう!
歌を詠みながら道長は、まひろと結ばれたあの夜に二人で見上げた望月を思い出し、ここまでこれたのはお前との約束のおかげだと心の底から感謝したのではないでしょうか。
ここであの廃邸から見えた満月を演出するあたりが黛りんたろうさんの手腕ですよね。
たしかあの回も彼の演出だったような…
あくまでも道長の中にいるのはまひろだけなんです。
また道長は、以前まひろが敦平親王が産まれた際に詠んだ「めづらしき 光さしそう さかづきは もちながらこそ 千代も巡らめ」を覚えておこうとも言ってましたね。
この歌に対する10年越しの返歌と捉えるとエモいものを感じます🥹
この場面での道長とまひろの描写は、二人だけにしかわからない深い想いや愛が込められていて、そりゃ実資は返歌できないっしょと思わせるものでした。
とにかく黛りんたろうさんの演出は美しい😍
夜闇の中満月の光と銀粉に浮き出された道長は、まさにまひろにとっての光る君そのものではなかったでしょうか。
まばゆい道長を見つめるまひろの目にも、自分の愛した人はこんなにも立派な方になられてという愛しさが現れていて、まるで「源氏の物語」が完結したような場面のように感じました。
よって、このドラマでの「このよ」は「この夜」であって、「あの日の夜」を重ねて詠んだ歌だと思うのが一番しっくりときて味わい深いものということでしょう。
しかし、実際の歌の解釈は、人それぞれで味わえばいいものだと思います😊
道長にそっくりな子ら
頼通が頑なに三条天皇の申し出である褆子内親王との結婚を拒否し続けて、困り果てている道長に彰子はキッパリと言います。
「この婚儀は誰も幸せにせぬと胸を張って断るがよい」と。
道長もまた、かつて言っていたのです。
「入内は決して女子を幸せにはせぬと信じておる」と。
そして頼通は隆姫以外の嫁をもらうことをよしとせず言います。
「そのようなことを父上と母上が私にお命じになるなら、私は隆姫を連れて都を出ます‼藤原も左大臣の嫡男であることも捨て、二人きりで生きてまいります‼」と。
道長もかつてまひろに言いました。
「一緒に都を出よう。まひろと生きていくこと。それ以外に望みはない」と。
骨の髄から二人とも道長の子であることを感じてしまいますね😆
やはりDNAは侮れない。
そういえば、賢子も怒ることは嫌いと言ってたし🙄
若い時は皆同じ思いでいるんですよね。
しかし道長は、政を行っていく上で兼家のようにならなければならないことも感じていき、いつまでも甘い考えだけではいけないことも学んでいくのです。
今は清廉な考えの子らが、酸いも甘いもかみ分け道長のような大物に変わっていくのでしょうか。
それは歴史が物語っているということですね😉
三条天皇の生きた闇
道長とさんざん政でのバトルを繰り広げてきた三条天皇が、とうとう亡くなってしまいました😭
最期は目も見えず耳も聞こえずで、ほんとに闇の中で生きていたようでしょう。
25年も東宮に甘んじ、やっと帝になれてこれから存分に自分の思い通りの政をしようと力も入っていたことでしょう。
なのに数年で病に伏して死に至るなんて、あまりにも可哀想すぎます😭
娍子に「闇を共に歩んでくれて嬉しかった」と言ってたけど、三条天皇の歩んだ道はほんとに真っ暗な闇だったのでしょうか。
私は、道長に負けじといろんな策を行使し挑む三条天皇の姿が大好きでした。
なんなら定子定子と定子しか見えてない時の一条天皇よりも、よっぽど好きでした。
公卿たちは道長よりが多くままならないことが多い中、目や耳にまで不調が出ても帝という位にしがみつく姿を見苦しく見てしまう人も多くいるかもしれません。
でも、考えてみてください。25年も東宮だったのにやっと帝になれたのですよ。
何がなんでも帝という位を渡したくないと思うのは当然のことでしょう。
譲位してしまえば、道長の思い通りにされてしまうのは火を見るよりも明らかなわけで。
実資の入れ知恵で敦明を東宮にすることで譲位を受け入れたけど、自分の死後後ろ盾のない敦明が自ら東宮を降りてしまうことまで考えが及ばなかったのでしょうか。
そこだけが残念でなりません。
道長との政の駆け引きは神経すり減らすほど、苦しいものだったかもしれませんが、三条天皇の生き方は決して闇を歩いていたとは思いません。
娍子とともに懸命に戦い抜いた輝きのある人生だったと思います😭
倫子の頼み
まひろと二人きりのひと時で癒されている道長だが、そこへ倫子さん登場😱
この時ばかりは不倫現場を見られたようで、ドキドキしてしまいましたが…
皇太后に近い者から皇太后の考えを聞かねば政が進まぬと、道長はこれ見よがしに言ってたけど、倫子様はまったく意に介していないようでしたね😆
倫子様、腹がすわってるわぁ。
絶対に道長の心の中にいるのはまひろだとわかってるはずよね。
そんなことおくびにも出さずに、まひろに道長の栄華を書いてくれないかと頼むのすごいわぁ🤩
いや、彼女はそれを知っているからこそまひろに頼んだのでしょう。
男としての道長をよく知っているまひろから見た道長を書くことで、きっと枕草子のようなキラキラとしたものになるだろうとふんで。
いやぁ、まさに土御門殿の首領(ドン)だわ!
だけどさ、倫子様だって道長に愛されてないと知った時は辛かったと思うのよ。
それを乗り越えて、道長の頑張りで家が繁栄し、そんなことはどうでもよくなったと言ってるのよ。
それは倫子の精一杯の強がりであって、それ聞いて道長はほっとしちゃいけないのよ!
倫子の前では、絶対にまひろを見つめちゃいかんのよ!
もうちょっと倫子に気を使ってほしいわ😤
(あれれ、まひろを見つめる場面は、まひろがそう見えているというだけのことかしら🤔)
予告を見てガッツポーズが出てしまったわー✊
来週、願ってた通りに周明が出るじゃないのー😭
まひろとの再会はあるよね⁉️
どんな再会になるんだろう?
あぁもうワクワクが止まらない😍
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