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【どうする家康】第16話あらすじ・感想考察「信玄を怒らせるな」|刻々と忍びよる赤ムカデ

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姉川の戦いを終え、浜松へと拠点を移した家康。

そこで、待っていたのは、見目麗しい少年による突然の襲撃でした。

第16話は武田の人質となっている義弟・源三郎を救出して明らかになった信玄の真意と、最強武田軍を相手に戦う決意を固める徳川家臣団の話です。

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目次

【どうする家康】第16話 あらすじ

幸いかすり傷で済んだ家康。

家康暗殺に失敗した少年は、生け捕りにされ浜松城へと連行されました。

我が名は、井伊虎松

少年は後ろ手に縛られ殴りいたぶられています。

家康は、何もしゃべらぬ少年の前に歩み寄り問います。

家康

名は?なぜわしを狙った?

家康が聞いても、口をぎゅっと結んだまま答えません。

鳥居彦衛門元忠

誰に雇われたんじゃ、お前の主は?

井伊虎松

主などおらん。俺の一存でやったことだ。

家康

わしに恨みがあるのか?

井伊虎松

お前のせいで俺の家はめちゃくちゃになった!今川様を裏切り、遠江を掠め取った!お前がすべての元凶だ!

少年は、遠江の民はみんなお前を恨んでおる、疫病神は出て行けと罵声をあびせます。

そして信玄こそ新たな国守にふさわしいと言うのです。

しかし家康は、少年を無罪放免としました。

本多平八郎忠勝

子供はすぐ大人になります。次はさらなる敵となって我らの前に現れるやもしれませんぞ。

家康

更なる敵となっているか、あるいは味方となっているか。それはわれらの行い次第。そう思わんか。

去り際、少年は振り向き言います。

井伊虎松

…井伊虎松。我が名じゃ。

家康が今川氏真を攻撃した際、徳川軍は遠江・井伊谷に侵攻し、井伊家はこの地を追われました。

そして、虎松の父・直親は徳川への内通を疑われ殺されたため、虎松の家康への憎しみは相当なものだったのです。

なおらん

このあたりの詳しい話は『おんな城主直虎』を観るとよくわかりますね。

信玄との差

少年を無罪放免としたあと、家康は左衛門尉と数正を呼び寄せます。

夏目広次や大久保忠世ら、としかさの家臣たちも主殿に集め、浜松で起きたことを相談します。

家康

えらいことじゃ。

酒井左衛門尉忠次

武田が放った刺客というわけではなく、あくまで己の考えでやったということは…

石川数正

考えそのものを武田に仕込まれているということ。

武田は遠江各地に金をばらまき、深く土地に入り込んでいるのです。

このままでは武田に遠江を切り取られてしまうのも時間の問題です。

家康

くされ坊主が!

広次が落ち着くよう諫め、戦だけは避けねばならぬと進言します。

石川数正

確かに、戦となれば十に九つは負けましょう。

家康は家臣たちに問います。

家康

わしは、信玄に何が及ばぬ?何が足らん?

皆、口をつぐんだままのところ、数正がずばっと言います。

石川数正

すべて。

あぁ、情け容赦のない言い方。だけど、はっきり進言してくれる家臣がいるからこそ、家康は戦国の乱世を生き抜いていけるんですね。

ショックをうける家康ですが、信長にも信玄を怒らせるなと釘を刺されているので、戦を避ける方向へと舵をきることに。

今は、地道にこつこつ民の信頼を得ていくことしかないのでした。

甲斐からの手紙

家康は武田と盟約を結ぶ折、人質として義弟の松平源三郎勝俊(長尾謙杜)を差し出しました。母・於大と久松長家の次男です。

その源三郎から於大と長家の元に手紙が届きます。

父上、母上、甲斐の国は食べ物も豊かで美味なるものばかり。武田様は慈悲深いお方。源三郎は息災に暮らしております。ご心配なさいませぬよう。

しかし、於大は源三郎の字ではないと言い、源三郎の身に何かあったのではないかと思い、半蔵を呼び寄せ探らせるのでした。


半蔵は見てきた様子をまずは家康に告げます。

源三郎は毎日ひどい仕打ちを受けているようだと…。

服部半蔵正成

今は、お体もお心も病んでいるように見受けまする。いかがいたしましょう。

家康

源三郎は書状の通り息災であった…母上にはそう伝えよ。

誰よりも家康を尊敬し、人質としてはりきって甲斐に出かけた源三郎です。

人質の辛さはよくわかっている家康…自分が経験した以上の辛さを味わわせてしまったことに、耐えがたい思いを抱きます。

一刻も早く救い出したいのはやまやまだが、そう簡単に手出しできる相手ではないのでした。

越後・上杉謙信への書状

そんな状況の中、信玄の影はじわじわと近づいてきています。

夏目広次

奥三河の、作手、田峯、長篠、いずれも武田方に通じている模様!

家康

なんじゃと!

なすすべもなく駿河を失った、今川氏真の二の舞だけは避けねばと焦る家康です。

家康

越後の国に書状を送るというのは…。

夏目広次

恐れながら、危ういと存じます。間違いなく信玄を怒らせます。

家康は越後の謙信に頼るしか道はないと考え、家臣の忠告を無視し内密に書状を送るのでした。

しかし、信玄はすべてをお見通しです。

家康が内密に送った書状は、途中で歩き巫女の集団に襲われ奪われてしまいました。

半蔵、源三郎を救出!

夏目広次

信玄に渡ったものと存じます。殿をなじる書状を方々へ送っておるようで。

夏目の報告を虚ろな目で聞く家康。

それでも戦は避けなければならないという夏目に、家康は観念したように言います。

家康

避けられんだろう。信玄は初めから決めておるんじゃ…遠江を切り取ると。怒らせようが怒らせまいが関わりない。

家康は、今更ながら信玄の真意を悟ります。

信玄は遠江を切り取る時機を待っているだけなのです。

家康

半蔵を呼べ。

家康はいち早く動き、半蔵に源三郎救出を命じます。

二日後、半蔵に連れられ浜松へ帰ってきた源三郎は、痩せこけており、雪山を素足で逃げてきたため、指の一部を凍傷で失ってしまったのでした。

甲斐での厳しい鍛錬

家康

すまぬ、源三郎。わしが悪かった。人質にひどい仕打ちをするとは、信玄はなんたる外道じゃ!

源三郎

兄上…それは…間違いでございます。甲斐の若い者は皆…同じ鍛錬を…むしろ私が一番やさしく扱われ…ほかの者たちはもっとずっと…

源三郎の説明によると、甲斐の若者たちは皆、同様の厳しい訓練を受け、鍛えられていると言うのです。



中でも、信玄の息子の武田勝頼(眞栄田郷敦)は誰よりも厳しく鍛えられ、百人組手を行ってもひるまず戦い続けるほどの強さです。

源三郎

彼らは…化け物でございます。甲斐の侍と…戦って勝てる者などおりませぬ!

そして、源三郎は信玄から預かったという言づてを耳打ちするのでした。

気弱な殿と勇ましい家臣団

半蔵が道に立っていると、おぼつかない足取りで、大鼠が帰ってきました。

背中に大きな刀傷を負っています。

他の伊賀者たちは戻ってくることができないのでした。


家康

信玄から言づてを得た。

弱気主君は害悪、滅ぶが民のため。生き延びたければ、わが家臣となれ。手を差し伸べるは一度だけぞ。

家康

わしの独断では決められぬ。…おのおのが決めてよい。

酒井左衛門尉忠次

皆の衆どうする?うちの殿はこの通り、頼りないぞ。

左衛門尉が口火を切ると、やれ情けないだの、信玄の方がましだの、浜松も苦労して手に入れた遠江も、岡崎も三河ごと信玄にくれてやろうなどと言いたい放題です。

皆、武田に折れる気がないのは家康にもわかっています。

家康

戦っても…十に九つは負けるんじゃぞ。

本多平八郎忠勝

十に一つは勝てる。その一つを、信長は桶狭間でやりましたぞ。

家康

わしは信玄に何一つ及ばん…すべて…足らんのじゃ。

夏目広次

恐れながら、殿…。その代わりに殿には、この家臣一同がおります。

皆が知恵を出しあえば、きっと信玄と肩を並べることができる…そう信じさせてくれるほど、皆、強い決意の目をしていたのでした。

我らの桶狭間


1572年晩秋、信玄がいよいよ立ち上がります。

武田信玄

天下を鎮め、世に安寧をもたらす。…時は今!この信玄、天下を鎮め、人の心を鎮めるため都へ上る!敵は織田信長!まずは、その路上にある小石をどかさなければならぬ。これより浜松を目指し、徳川家康を討つ!いざ、風のごとくすすめ!

一方、浜松でも家臣団が主殿に揃います。

その表情には闘志がみなぎっています。

家康

この地を守り抜き、武田信玄に勝つ。今こそ、我らが桶狭間を為す時ぞ!

おおおーっ!

つづく…

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【どうする家康】第16話 感想考察

「信玄を怒らせるな」

今回は徳川家康三大危機の二つ目・三方ヶ原の戦いにいたるまでのプロローグ的な話となります。

信玄はお腹の辺りをさすっていました。
自分の命がそう長くはないことを悟っていての戦いだったのでしょう。

安寧の世にするために最後の仕上げとして、信長を討つ。

その前に潰さなければならない家康との戦が三方ヶ原の戦いです。


お前のせいで俺の家はめちゃくちゃになった!

家康を襲撃した井伊虎松ですが、この時はまだ10歳ほどの年齢です。

遠江・井伊谷の当主だった虎松の父・直親は徳川家康に内通していると疑われ、氏真の手の者によって誅殺されてしまいます。
この時虎松はまだ2歳です。

家督は井伊直虎に受け継がれますが、井伊谷を出ていかなくてはならなくなるのです。
虎松は今川に命を狙われたため、寺へ預けられます。
幼少の頃から寺院や親戚の家を転々とせざるをえなかった不遇の時を過ごすのです。
虎松の言う通りお家はめちゃくちゃです😣
(井伊家のために奔走した「おんな城主直虎」での小野但馬守政次(高橋一生)の死はショッキング過ぎて、私にとって大河ドラマ史上ベスト3に入る名シーンです)

物心がついた頃には父を亡くしている虎松です。
父の顔も覚えていないでしょう。
父の死や井伊家の不遇の元凶が徳川家康であると知った時からの憎しみは相当なものだったのでしょう。

家康との初対面を襲撃というセンセーショナルなものにしたことで、今後の家康との関係性がもっと色濃く密なものとなっていくのではないでしょうか。
なんせ、家康の色小姓と噂された人物ですからね。
家康に惹かれていく過程がどう描かれるのか、注目ですね。

美少年としてはこれ以上ないほどのポテンシャルを持つ板垣李光人さんですが、井伊の赤鬼と言われるほどの武士としての強さを表現できるのだろうかと少し不安でした。
しかし、家康を仕留められなかった時に見せた目の鋭さや、俊敏な身のこなしには驚きました。
10歳かそこらでもはや完全な武士の目をしてるんですよねぇ😲
今後の活躍が楽しみな一人です。


くされ坊主が!

家臣の進言を聞き入れ難しい状況判断を決定したり、信長に意見したりとあらゆる面で成長を見せている家康ですが、かあっとなるとこういった暴言が出てくるところが、まだお子ちゃまですよね。

前回も家臣の前で信長のことを『くされ信長』って言ってたよね😆
それだけ家臣たちに心を許しているってことなんでしょうが。
信長もそうだけど、家康もかなりの喜怒哀楽の激しい人ってのがわかります。
人としては信長も家康も秀吉も、欠けてる器のような三者三様のいびつさがあって、おもしろいところです。


信玄は初めから決めておるんじゃ…遠江を切り取ると。怒らせようが怒らせまいが関わりない。

信玄は、家康を討つことは最初から決めていて、どうやって引きずり出すかだけが問題だったわけです。
大義名分さえあれば、いつでも出陣できる準備をし、あらゆるところに忍びのものを送り込み、情報収集にぬかりがない。
そこへ家康は越後へ書状を出してしまった…。
信玄との盟約を自ら破ってしまう。信玄の思うつぼです。
20歳以上も年上の信玄の手のひらで転がされていたわけですね😣

信玄の仕掛けた網にじわじわと絡められていくさまは、二人の格の違いをまざまざと見せつけられ見ごたえある内容です。
一連の出来事は、はなから信玄の勝ちが見えてくる描写でしたね。


わしは信玄に何一つ及ばん…すべて…足らんのじゃ。

数正がはっきりと、すべてにおいて信玄に及ばないと言ってたけど、普通の殿(特に氏真)なら怒り狂うところでしょうけど、家康はしっかりと受け入れています。

一見、か弱く見えるところですが、己の弱さや足りないところを知っているからこそ、天下を取りうる人物となっていったのでしょう。
(千代の家康に対する人物評価は正しかったわけです)

一人でも、歯に衣着せぬ物言いをする家臣を持ちその人物を大事にすることと、命を落とさぬ運の良さ。
天下を取るために必要なことかもしれませんね。


恐れながら、殿…。その代わりに殿には、この家臣一同がおります。

信玄と比べて何一つ及ばないと弱気な家康ですが、夏目広次はこのように言います。

私はこの場面で涙が溢れてきましたよ😭
この言葉を夏目に言わせるあたりが、憎い演出ではないですか。
評定の場に最後に席に着く夏目です。
いつも目立たず控えめな家臣という演出なのでしょう。
夏目は、何度も殿に名前を間違えられ、三河一向一揆では敵となった人物です。
それを許され、号泣していた場面は記憶に新しいところです。

この言葉を夏目に言わせたことによって、今までの夏目の行動の一つ一つが伏線となり、三方ヶ原の戦いの一番の見どころとなるところがおのずとわかるというものです。


今こそ、我らが桶狭間を為す時ぞ!

皆が信玄の傘下に下ることをよしとしなかったことで、力を得る家康です。

信長は力の差が歴然とあった義元を討ち取ったのだから、俺たちにもできる、桶狭間を再現しようというスローガンとなったわけです。
(皆、信長のこと嫌いなわりに、当時敵であった信長の桶狭間での電光石火の如き戦いには一目置いていて、お手本にしようとするんですね😅)

史実を見ると戦い自体は敗北ですが、家康は討ち取られていません。
家臣たちの献身的な働きがあるわけですが、次回とその次あたりはきっとその家臣団の命をかけた戦いが描かれることでしょう。

桶狭間の戦いもつらいものでしたが、家康にとってはおそらくそれ以上の心と体に痛手を負うことでしょう。
家康最大の危機、三方ヶ原の戦いまであとわずかです。
17、18話は神回の予感です‼️
しばらく出演していなかった本多忠真、発言が多くなった夏目広次にフラグが立ちました。
三方ヶ原での注目人物です。


三河一向一揆は3回に渡って描かれました。
おそらく三方ヶ原の戦いも数回に渡るでしょう。
もしかしたら家康の三大危機は数回に渡って深掘りされるのかもしれませんね。
なんせどうするポイント満載ですから😆


※「おんな城主直虎」での小野但馬守政次の死は33話『嫌われ政次の一生』で観れます。

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なおらん

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