突然まひろに会いに藤壺を訪れたききょうは、「源氏の物語」を読んだと告げる。
その行動の真意はどこにあるのか…
第38回人物相関図
【光る君へ】第38話 あらすじ
ききょうの思い
藤壺に訪れたききょうは、「源氏の物語」の感想を語り、まひろの漢籍の知識の深さや筆力を褒めます。
この日ききょうが内裏に来たのは、亡き定子の子・敦康親王の様子を知るためだとのこと。
私はいかなる世となろうとも、皇后・定子様という灯を守り続けてまいります。私の命は、そのためにあると思っておりますゆえ。
ききょうは、なぜ「源氏の物語」を書いたのかとまひろに問います。
ききょうは、「枕草子」の存在を一条天皇の心から消し、定子の輝きを忘れさせるよう道長に頼まれたのではないかと疑っているのです。
私は腹を立てておりますのよ、まひろ様に。「源氏の物語」を恨んでおりますの。
ききょうの並々ならぬ思いを知ったまひろは、自分に中宮・彰子を守る覚悟がどれだけあるのだろうと考えさせられるのでした。
一方藤壺では、藤原行成が敦康親王と彰子を訪ね、11歳になった敦康の元服の時期を道長に相談したいと切り出します。
しかし、敦康はまだ元服したくないと答えるのです。
元服すれば、藤壺を去らなければならず、彰子と離れることになってしまうからでした。
呪詛事件
道長は百舌彦から、敦成親王の寝所の縁の下から呪符が見つかったと報告を受けます。
道長はこの件を行成に調べさせました。
その結果、円能という僧侶の存在が浮かびます。
検非違使からの厳しい尋問を受けた円能は、呪詛の首謀者は高階光子と源方理であり、その対象は彰子、敦成親王、道長で、目的は伊周と敵対する者の排除だと白状しました。
道長ら公卿たちはその処分について陣定で議論します。
明法博士の勘申では死罪相当の罪だったが、道長は一条天皇に、官位剥奪が相当だと進言しました。
厳しい罰を与えることで、彰子と敦成親王がさらに恨みを買うことを避けるためでした。
また伊周は参内停止が相当と進言します。
一条天皇はこれを受け入れることにしました。
その後道長は頼通に、この先自分たちがなすべきことは、敦成親王を東宮とし、一刻も早く即位させることだと語ります。
帝のお心をいたずらに揺さぶるような輩が出てくると朝廷は混乱をきたす。いかなる時もわれわれを信頼してくださる帝であってほしい。それは敦成様だ。
家の繁栄のためではない、揺るぎなき力を持って民のために良き政を行うためだと付け加える道長でした。
思い通りの人事
3月4日に臨時の除目が行われ、実資は大納言に、公任と斉信は権大納言に、行成は権中納言となったが、すでに権中納言であった源俊賢を加え、この四人が後世に言う「一条期の四納言」となります。
また、頼通19歳という若さで権中納言となりました。すべて道長の思いを反映したものでした。
道長は頼通の婿入りについて、具平親王の一の姫である隆姫女王はどうかと倫子に持ちかけます。
倫子はまずは本人の思いをきいてほしいと言うのだが、道長はこう切り返すのでした。
あいつの気持ちはよい。妻は己の気持ちで決めるものではない。男の行く末は妻で決まるとも申す。やる気のない末っ子の俺が今日あるは、そなたのおかげである。
子供たちの相手を早めに決めて、殿と二人っきりでゆっくり過ごしたいと、道長の言葉に倫子はほほえむのでした。
和泉式部
ある日まひろが局で「源氏の物語」の構想を練っていると、道長が現れました。
まひろは父・為時が官職を得たことの礼を述べます。
お前の娘はいくつになった?
11にございます。
敦康様と同じか…まもなく裳着であるな。
まひろが賢子の裳着には道長から何か贈り物がほしいと頼むと、道長はこれを受け入れます。
裳着を終えたら、娘も藤壺に呼んではどうだ?お前の娘だ、さぞかし聡明であろう。人気の女房になるやもしれぬ。
藤壺の女房になりそうな女房でしたら、いい人がおりますわよ。
まひろの頭に浮かんだのは、和歌の名手・あかねでした。
あかねはその後藤壺に招かれ女房となり、宮の宣旨から和泉式部という名を与えられました。
まひろの局で二人きりになると、あかねは敦道親王との思い出をつづった文章を見せます。のちの「和泉式部日記です。
まひろ様も「源氏の物語」をお書きになることで、ご自分の悲しみを救われたのでございましょう?
そのように話したこともあったが、「源氏の物語」は違うとまひろは答えます。
頼まれて書き出した物語ですので、されど書いておれば、もろもろの憂さは忘れます。
お仕事なのですね。
妖艶で自由奔放なあかねの存在は、藤壺の空気を変えました。
頼通たち若い公卿も頻繁に出入りするようになり、女房たちは活気づきます。
そんな中、まひろは「源氏の物語」の第二部に着手し、執筆に勤しむのでした。
道長の危惧
ある日、藤壺の庭で敦成親王をあやしていた道長は、敦康親王が彰子に甘える姿を目にします。
その後道長は行成に、敦康の元服の日取りを陰陽寮に決めさせるように命じました。
彰子に執着する敦康に、道長は危ういものを感じたのです。
この年の6月、頼通と隆姫女王の結婚が決まり、さらに彰子の懐妊が明らかになります。
そして道長は、敦康親王の元服の日取りを告げました。
これを機に一条天皇は、伊周の参内停止を解きます。
しかし一条天皇の許しが出ても、伊周が参内することはありませんでした。
二度目の出産を控えて、彰子は土御門殿に下がり、まひろも土御門殿で務めを果たすことになりました。
狂気の伊周
一条天皇は道長に、敦康の元服を彰子の出産後まで延期するように求めます。
敦康に懇願されたからです。
道長は拒み切れず、これを受け入れましたが、代わりに元服後の敦康の在所については自分に一任させたのでした。
この頃藤壺でボヤが起きました。
そのため敦康は、姉の脩子内親王とききょうとともに一時的に伊周の屋敷に移ります。
出迎えた伊周はひどくやつれており、敦康は驚きました。
近頃、左大臣は、私のことを邪魔にしている。中宮様に皇子が生まれたゆえ致し方ないが。
敦康が不満を述べると、伊周の子・道雅が口を開きます。
藤壺の火事とて、誰の仕業か分かりませぬな。
後日、伊周は土御門殿に道長を訪ね、敦康を帝のそばから引き離すのはやめるようにと求めます。
先例から考えても次の東宮は、帝の第一の皇子・敦康親王であるべきです。どうか帝のご意志を踏みにじらないでくださいませ。
一条天皇に許されたにもかかわらず、なぜ参内しなかったのかと道長が尋ねると、伊周は叫びだします。
お前のせいだ。何もかもお前のせいだ!
その姿から道長は、伊周が正気を失っていることを知ります。
八剣や 花の刃のこの剣 向かう道長を薙ぎ払うなり
呪詛の言葉をくり返す伊周は、土御門殿の家司に抱きかかえられて去って行きました。
その様子を遠くから見ていたまひろの目には、しだいに涙がこみ上げてくるのでした。
つづく…
用語集 大河ドラマ「光る君へ」第38回
勘申(かんじん)…儀式などに必要な先例や典故を調べたり、行事の日時などを占い定めて報告すること。
駒牽(こまひき)…信濃、上野、武蔵、甲斐の4国の御牧(勅旨牧)から献上された馬を、宮中で天皇が御覧じ、馬寮や貴族たちに馬が分給され、彼らが牽(ひ)く儀式。毎年8月に行われる。
射礼(じゃらい)…毎年1月17日に、建礼門において親王以下五位以上および左右近衛、左右兵衛、左右衛門府の官人などが弓を射る儀式。まず手結(てつがい)という練習を行う。
上卿(しょうけい)…公卿の総称の場合と、個々の朝議・行事を奉行する公卿の上首を指す場合とがある。後者の場合は原則として、摂政、関白、太政大臣および参議は上卿を勤めない。
具平親王(ともひらしんのう)…62代・村上天皇の第七皇子。兼明親王(60代・醍醐天皇の第十一皇子)の前中書王に対し、後中書王と称されるほど漢詩の才に恵まれ、「天下之一物」と評された。
明法博士(みょうほうはかせ)…大学寮で律令や格式を教えた教官。
引用元 大河ドラマ「光る君へ」公式ページ特集より
【光る君へ】第38話 感想考察
和泉式部のお色気ムンムンで寄ってくる距離感に、心臓がバクバクのうぶな頼通くん💕
あかねにロックオンされた(恋愛関係にあった)男性は早世するジンクスみたいなのがあったけど、ん?頼通くん、まさか、大丈夫か?と不安になりましたわぁ💦
ま、藤原頼通は83歳まで生きておられたようで、ホッとしました😅
きっと倫子ママの家系の血を受け継いだのでしょうね。
ききょうのジャブからのアッパー
突然まひろを訪ねてきたききょう。
「源氏の物語」を読んだと言って、つらつらと感想を述べてるんだけど、話す顔は笑顔でも目が戦闘モードに入ってるのよねぇ😱
物語に引き込まれたと言いながら、あんなことをじっとり考えているまひろを根が暗いとしっかりディスってくるところなんか、さすがききょう姉さん!と笑ってしまいましたよ。
そんなまひろはジャブをくり出してくるききょうに対して、さほど気にもしてないような余裕をかましながら少しずつ応戦してるんだよね。
漢籍に詳しいところとかこの世の出来事を物語に落とし込む巧みさをほめつつ、男のうつけぶりを笑いにするところがまひろらしいとたたみかけてくるききょうに対し、《手厳しい》ききょうからそのような言葉をいただけて嬉しいと負けずに戦ってるのよ。
自分のことを手厳しいと言われたききょうは、一瞬ノーガードになってましたしね😆
そんなききょうとのやり取りを楽しんでいたまひろが、ききょうが藤壺の女房になってくれたらどんなにか華やかになるであろうと言ったとたん、ききょうの表情ががらっと変わりました。
突如、獲物を仕留める最終段階に入ったようでした。
(なんせ気の置けない友人とのやりとりのつもりですからねまひろは、ぎょっとなったことでしょう)
「それはない。私は亡き定子の身内を支えるために生きているのだ。今日だって敦康様の様子をうかがいにきただけだ。私はどんな世になったって、皇后・定子様という灯を守り続けてまいるのだ。私の命はそのためにあると思ってる」と覚悟をもって生きていることを示され、ストレートパンチをくらってしまったまひろです。
最後に亡き定子様の輝きをなきものとするために物語を書いたのかと問われたまひろは、よろめいた足元を踏ん張りつつ、帝の心を捉えられるような物語を書きたいと思ったと応戦します。
ここからのききょうがすごかった!!立っているのがやっとのまひろに向かい…
「てめえ何してくれてんのや!わいははらわた煮えくりかえってんだぞ!「源氏の物語」だかなんだか知らんが、帝の心から「枕草子」を消し去ってくさってからに!恨んでも恨み切れんわ!」(意訳です😅)
いきなりのアッパーカットにまひろもさすがにKO気味でしたね。
今回は最高に、ききょう(清少納言)がファーストサマーウイカさんで良かったと思ったわ。
以前から交友を深めてきた二人のバチバチのやりあいは見ごたえたっぷりで、下手なボクサーの試合を見ているよりめちゃくちゃ楽しかったです😆
道長の本心は…
道長は嫡男の頼通を呼んで、この先自分たちがなすべきことは、敦成親王を東宮とし、一刻も早く即位させることだと語ります。
そしてその後、家の繁栄のためではない、揺るぎなき力を持って民のために良き政を行うためだと付け加えてたけど、どこまで本心なんでしょうね🤔
若き日に交わしたまひろとの約束もあるから、その気持ちは確かにあるのだろうけど、私は道長の中に父・兼家の言葉と教えはしっかりと根付いているのだと思うのです。
政とは家を繁栄させることだと。
家を盤石なものにして、治政を頼通に繋げることにシフトを傾け始めてるような気がします。
「鎌倉殿の13人」でも北条義時は自分がこの世の業や罪を全部背負って、嫡男・泰時をきれいなままにして繋ごうとしていました。
そんな気持ちを道長にも感じざるを得ません。
36話で彰子に皇子が生まれた時の道長の顔に半分影がかかっていたのが、道長の心の中に沸き立つ影を表しているようで気になっていました。
この時から、二人の親王のまぶしさはやがて闇となるとわかっていたのでしょうね。
ていうか、自分がその役目を負わなければならないのだと覚悟したのでしょう。
よって道長の心の底にあるものは、民のために良き政を行うことよりも、揺るぎなき力を持つことへの比重が大きくなっているように思えてなりません。
まひろが最後に涙を浮かべていたのは、そんな道長の、光に隠れた闇を感じたからだと思うのです。
今回、予告で何やら惟規が大変になってるようなのが気になって、感想どころではなくなってしまいました😭
私の癒しの太郎ちゃんがいなくなったら誰を推していけばいいのよぉぉぉ…
ん?そういやなんかいたなぁ、直秀っぽい青年が…
そうだ、双寿丸だあぁぁぁ!!
太郎ちゃんの次は双寿丸に癒しを求めよう!
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