「それで、あなたと殿はいつからなの?私が気づいていないとでも思っていた?」
倫子の突然の問いに驚きを隠せないまひろ。
一人の男をめぐる二人の女の初めての対峙。
まひろはどう答えるのか……
最終回人物相関図
【光る君へ】最終話 あらすじ
対話
- まひろは、これまでの自分の人生を倫子に話して聞かせる
子供のころからの関係や母を殺したのが道長の兄だったこと、それでも二人は惹かれあっていたことなど自分の思っていた以上の話を聞き倫子は驚きを隠せない。
また、彰子が何も知らずに、まひろに心を開いていたことにもショックを隠せない倫子。
「それですべて?隠し事はもうないかしら?」
はいと答えるまひろ。
「このことは死ぬまで胸にしまったまま生きてください」
- まひろが去った後、道長は倫子に何を話していたのかと尋ねる
とりとめもない昔話だと倫子は受け流す。
- 倫子は、裳着の儀を終えた末娘・嬉子を東宮・敦良親王に嫁がせることを提案する
「次の帝も我が家の孫ですけど、その次の帝もそのまた次の帝も我が家からお出ししましょう」
賢子の出世
- 敦良親王に嫁いだ嬉子は、万寿2年(1025年)に皇子・親仁親王を産む
- しかし嬉子は、出産の二日後に世を去る
- 政の中心は道長の子供たちとなっている
- 親仁親王の乳母にまひろの娘・藤原賢子が抜擢される
親王の乳母というのは、女房として最高の位。
- 親仁親王は、太皇太后・藤原彰子のもとで育てられることとなる
- 賢子は内裏の公卿たちと浮名を流す「光るおんな君」となる。
新交と旧交
- まひろは家で、市で出会った娘・ちぐさに「源氏の物語」の感想を聞かされる
- この娘は後に『更級日記』を書くこととなる菅原孝標の娘である
「光る君の最期を書かなかったのはなぜだとお思いになります?」
まひろはさあ…ととぼける。
「この作者のねらいは、男の欲望を描くことですわよ、きっと」
「つまり、光る君とは女を照らし出す光だったのです」
闊達に思いを話す娘に対し、まひろは微笑ましく思う。
- 娘と入れ替わりにききょうが訪れる
二人は近況を話し、ききょうは言う。
「道長様が左大臣の頃にさんざんひどい目にあったことを思えば、今は夢のようでございます」 - 以前のように書く気などおこらぬと言うききょうだが、二人がやったことはすごいことだと胸を張る
「枕草子も源氏の物語も一条の帝のお心を揺り動かし、政さえも動かしました。まひろ様もわたしも大したことを成し遂げたと思いません?」
「このような自慢話、誰かに聞かれたら一大事ですわ」
そう言って談笑する二人でした。
命つきるまで
- 嬉子に続き、妍子と顕信を亡くした道長は、病が重くなり法成寺に身を移す
- 隆家が、道長の加減が悪いことをまひろに伝えに来る
- 殿のために最期にできることを考え、倫子はまひろを呼ぶ
「どうか、殿の魂をつなぎとめておくれ」
- 道長と面会するまひろ
「先に…逝くぞ」
「光る君が死ぬ姿を書かなかったのは、幻がいつまでも続いてほしいと願ったゆえでございます」
「この世は何も変わっていない。俺はいったい何をやってきたのであろうか…」
「戦のない泰平の世を守られました。見事なご治政でありました」
もう物語を書いていないというまひろに、新しい物語があればそれを楽しみに生きることができるかもしれぬという道長のために、まひろは日ごと物語を考え道長に聞かせる。
「続きは…また明日」
- まひろが語る物語を聞き魂を繋いできた道長だったが、とうとうその生涯を閉じた
同じ日に藤原行成も世を去った。
- 後一条天皇は中宮・威子との間に姫皇子・章子内親王をもうけていたが、まだ皇子はいない
- 頼通は皇子をもうけるべく新たに女性を迎えてはどうかと提案するが、彰子が止める
他家から入内した姫が皇子を産めば、自分たち一族をしのぐ家ができることになりかねない。
彰子の意見に、頼通は感服する。
旅立ち
- 道長の死後、まひろは再び旅に出ようと思い立つ
「姫様、私を置いていかないでくださいませ」
年老いた乙丸が必死に懇願する。
- いとはボケてしまっているが、家族はそれにつきあっている。
- 出立前、まひろは賢子にこれまで詠んだ歌を集めた歌集『紫式部集』を手渡す
- 老いた乙丸を伴い、まひろは旅立つ
途中で馬に乗った双寿丸に出会う。
東方で戦が始まり、朝廷の軍として討伐に行くのだと言う。
「(道長様…)嵐が来るわ」
完
【光る君へ】最終話 感想考察
最終話、唯一お笑い部分を担当していた道綱役の上地雄輔さん。
そりゃ道長の言う通り、25年大納言だということは所詮大臣なんてムリなことなんだよね😅
それがわかっていても、道長にちょっとだけ大臣にさせてと甘える姿や変なこと言っちゃったけど嫌いにならないでという姿が、おバカちゃんなだけにかわいくて…
お笑い芸人がいる中で、最初から最後まで一貫したおバカキャラを通して、私たちに笑いを提供してくれた上地さんに感謝しかありませんね☺️
最終話感想
倫子の哀しみと覚悟
まひろに殿の妾になってくれないかと言う倫子。
きっと自分は嫡妻であることで自尊心を保とうとして言った言葉だったんだろうけど、道長との関係はいつからと尋ねると子供の頃からだとまひろに答えられ、さぞかしショックだったことでしょう😨
さらにまひろの母を殺したのは道長の兄で、それでも惹かれ合い、二人の友であった直秀が殺された時は二人で葬り、悲しみを分かち合えるのは互いしかいなかった…なんて処理できぬほどの情報量に倫子の脳はプチパニックに陥ったのではないでしょうか。
殿の妾になっておくれどこの話ではないのよぉ😣
しっかり魂で繋がってるじゃないの!
それでも冷静を装いつつ倫子がさらに聞いたことは、彰子は知っているのかということ。
まひろは知らないと答えたけど、どっちの答えだとしても倫子の気持ちは同じように千々に乱れたのだと思います。
男女のことはどうにもならないと諦めたとしても、娘まで奪われてしまったと泣く倫子に同情せざるを得ませんでした。
隠し事はもうないかと聞かれ、まひろは賢子が道長の子であることは告げませんでした。
これは賢明なことでした。
それを言ってしまったら、倫子の心はきっと壊れてしまったでしょう。
まひろが道長との残りわずかな時を過ごすことも、許されなかったのではないでしょうか。
想像のはるか上をいく内容を聞かされたにもかかわらず、それでも、もはや生きる望みを失った道長のために、まひろを呼ぶ倫子の心の大きさと愛の深さに、私は哀しくなりました。
まだ二人だけの秘密を抱えていることを知らずに、殿への愛だけでまひろを呼んでいる倫子の姿を見ると泣けてきます。
どんなに心に傷を負い、どんなに哀しくとも、倫子は家を守っていかなければならないのです。
家のために娘を入内させ、そして先立たれたとしても…
その覚悟は、まひろにはわからないものです。
最期に道長が伸ばしていた手は、きっとまひろを探していたのでしょう。
しかし、その冷たくなった手を最後に握ったのが倫子であってよかったと思います。
ちぐさ(菅原孝標の娘)の役割
最終話のたった一場面しか出ないちぐさ(菅原孝標の娘)に対し、どうして無理矢理詰め込むようなことをしたんだろうと不思議に思いました。
更級日記の作者のことなど、無理に詰め込まなくても話はまとまるはずなのになぁと思っていたのです。
しかし、何度か見返すうちに、ちゃんと彼女の役割があったんだと気づかされました。
それは、光る君の死をなぜ作者は書かなかったのかということ。
研究者の間でもたぶん議論されつくされている疑問でしょう。
ここでちぐさに彼女の意見を言わせることで、原作者以外の人の見解を一つ示したかったのではないかと思いました。
そしてこのワンシーンで、菅原孝標の娘がどれだけ源氏物語に心酔していたかというエピソードも表れていましたしね。
大石さんは、いろんな解釈があるが、どんな解釈でも読み手が感じたものが正しいのだと言いたかったのではないでしょうか。
まひろが話した気持ちもこのドラマでは正解であるが、一つの解釈だということだと思います。
あったかい為時家族
道長が亡くなった後の為時の家のシーンでは、乙丸もずいぶんと白髪が増えていて、長い時の経過を感じます。
その乙丸は木彫りの女性を彫っていました。
きぬさんの姿がなかったところを見ると、すでに亡くなってしまっているのでしょう。
きぬさんの弔いのための木彫像だったのでしょうね😢
まひろが旅に出るつもりだと言った時の乙丸の必死な懇願が、心に沁みました。
「私を置いていかないでください!」
きぬさんに必ずお方様を連れて帰るようにと言われていた乙丸は、最後まできぬさんとの約束を守ろうとしたのでしょう。
いや、それ以前にまひろが幼い時から付き従っていたのだから、死ぬまで姫様を守るのだという気持ちの方が強かったかもしれませんね。
まひろのラストシーンに乙丸が連れ添っているのは、なんともいえないエモさを感じます。
それから、ボケてしまったいとさんが若様(惟規)を呼ぶ姿は、最終話で一番涙が溢れるシーンでした😭
幼い時に母を失った太郎ちゃん(惟規)にとって、乳母であったいとさんは母親同然でしたものね。
いとさんにとっては、若様が何より一番大切な人だったのだとわかり号泣しましたわ😭
惟規を探すいとさんに対し、もういないのだと否定するのではなく、気持ちを受け入れてあげて、為時を惟規の代わりにするまひろや、まひろの思いを受けとめて惟規を演じる為時の優しさあふれる空間がとても愛しく感じて、さらに涙が溢れてくるのです😭
とても心に残るいいシーンでした。
新時代は嵐の予感
旅の途中で双寿丸に会うまひろたち。
双寿丸は賢子の初恋相手として、視聴者へのサービス的な登場だと思っていたのですが、なんとまあ、最後の最後に一番大切な役割を持っていたのですね。
道長の治世は泰平な世でした。
不穏なものは呪詛と火事と盗賊と疫病くらい?(いや、結構あるがな🤣)なものだったのです。
すると、道長が亡くなったとたんに東方で戦です。
双寿丸はその戦を討伐するために向かっているのだと言う。
鎧をつけ馬に乗り勇んで駆ける双寿丸の姿は、完全に武士そのものでしたね。
まひろは、道長が約束通りに民のための政をしてきたのだと、あらためて思いかえしたでしょう。
そして、双寿丸を見てこれからやって来る時代は嵐のような、民には堪え難い時代が来るのだと感じたことでしょう。
最終話で晩年のことがわからない紫式部の人生を創作で描くよりも、武士の時代がやってくることへの不穏な空気で終わらせたことに脚本の潔さを感じました。
そして、視聴者がその後を空想する最高のポストがこちらですね!
まひろの驚く顔が想像できます😅
この最終話を見て、「平清盛」「鎌倉殿の13人」「太平記」と続けて観たくなりましたわ☺️
また一つ歴史的な最終話ができたわけです。
総括感想
当初は、文学に目覚め女流作家として千年のちにも名を轟かせる紫式部をどのように描いていくのかが、興味を惹かれるものでもあり不安要素でもありました。
大河ドラマでは大概合戦シーンがあり、それが一つの醍醐味でもあったのです。
それを戦のない平穏な世の中で、貴族が内裏でちまちまと権力闘争している時代が果たしておもしろくなるのだろうかと。
だいたい貴族の中で知ってる名前は藤原道長くらいしかいないんですもの😓
(大好きな吉高ちゃんが主演で、推しの井浦新さんが出演するのでワクワクはしてたのですが😉)
そんな一抹の不安を抱えながら見た第1話で、まさかのまひろの母が刺し殺されるというとてつもないバイオレンスで始まったではありませんか😱
一気に目が覚めましたわ😳
前半は、私の心の中を❤️で占めた直秀や、極悪道兼、行動力の権化で憧れの詮子様、何考えてるのかわからない晴明、政は家の繁栄だとのたまう兼家パパ等、出てくる人物が多彩で、私の不安はどこ吹く風ってな具合で、グイグイと引き込まれていったものです。
中盤になって一条天皇と定子のイチャイチャが長くて、ちょっと辟易してたことも事実です。
もっと帝らしくビシッと政に精を出せっ!ってな感じでね😅
自ら出家したくせに、帝の申し出とあらばのこのこと内裏に行く定子にも怒りをぶつけてました😓
まぁ、あとから考えれば、これはこれで必要なものだったということはわかるんだけどさ…
それだけ毎回話にのめり込んでいった私は、ジェットコースターのような感情に振り回されっぱなしでした。
そんな中、私の一番の癒しポイントが太郎ちゃん(惟規ー高杉真宙)でした。
まひろとの姉弟の会話ややりとりが微笑ましくて、クスッと笑わせてくれたりで、太郎ちゃんが出てくるとほっこりしたものです。
しかし、途中で亡くなってしまいました😭(史実だからしょうがないとわかっていてもね…)
直秀に続き、私の推しが二人も死んじゃったのよぉ😭
それでも、悲しみを堪えて見続け後半に入り終盤も佳境に入ったところで、周明(松下洸平)までも殺されてしまった時には、マジで大石先生を恨んだわよ。
あんたは鬼👹かあーってね😣
とまあ、要はこの一年、とことん光る君へにのめり込まされていたわけなのです。
(感想が、まひろや道長に関するものでないのはご無礼を。各話で書いていますのでそちらをどうぞ)
こんなにおもしろい平安時代を見せられると、次はそれ以前の大化の改新あたりも見たくなってしまうものです。
(レッド姉さんの気持ちがわかる気がするわ😆)
大石先生、数年後に中大兄皇子や中臣鎌足を書いてみませんか?☺️
つらつらととりとめもなく毎回感想を書いてきた大河ドラマブログも今作でいったん終了したいと思います。
2025年のべらぼうはブログを書くことを考えずに、フラットで純粋に楽しみたいと思います。
このブログにおつきあいしていただいた方々、稚筆な文章にもかかわらず今まで読んでいただきありがとうございました。
気が向いたらどこか違う媒体で書くかもしれませんが…😅
その時まで皆さん、お元気で!
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