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【どうする家康】第9話あらすじ・感想考察~「守るべきもの」|家康の心を動かす忠吉と正信の言葉

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半蔵(山田孝之)の口から出た一向宗側の軍師の名は本多正信(松山ケンイチ)

戦場に出ない臆病者と思われていたが、鉄砲を撃って駆けずり回っているという。

家康めがけて銃を撃ったのも正信だったのでした。

第9話は三河一向一揆の完結編となる話です。

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目次

【どうする家康】第9話 あらすじ

今や三河は一向宗寺院の一揆に加え、敵対勢力の蜂起により混乱をきわめている。

家臣たちの裏切りも相次ぎ、絶体絶命の危機です。

とりわけ正信の裏切りには衝撃を受け、居室に引きこもる家康(松本潤)でした。

情けない主君

「おしまいじゃ…もう誰も信用できぬ…何もかもおしまいじゃ」


松平家は、父も祖父も家臣に裏切られてきた…

誰も信じられなくなった家康は、居室に閉じこもったままです。

命を懸けて戦ってくれた家臣たちに対し、この態度はあまりにもひどい。主君としてついていくには情けなさすぎますね。


瀬名と竹千代、亀姫だけが今の家康の癒しだったのでした。


岡崎城の主殿で評定がおこなわれるが、家康の姿はそこにはありません。

どこの兵も少なく、疲れていて休ませたいというのが皆の本音です。

もともと気乗りではなかった戦いで、ましてや先が見えない状態なので兵の士気がさがるのは無理もないこと…。



「左衛門尉殿、こうして鎮めるという道筋をお示しくださらねば、我らはこれ以上戦えませぬ」


平八郎の言葉に、何も答えられない左衛門尉と数正です。

誰もが心に秘めたものを口に出せずにいて、重苦しい雰囲気のまま時は流れていきます。

評定に出てこない、家臣を信じない主君のために戦うなんてできるわけがないです。



評定を見守っていた忠吉翁(イッセー尾形)はどうしたものかと胸を痛めながら、よろよろと杖につかまり立ち上がるのでした。

忠吉の進言

居室であぐらを組んでボーっとしている家康。

いつまでこうしているのか瀬名がたずねます。


「どうしたらいいかわからぬ。怖くてしかたない」


そこへ小姓が来て、鳥居忠吉が見えたと知らせに来ます。

誰も通すなと言っておいたにもかかわらず、忠吉翁はずかずかと入ってきました。

許しなく入ってきた忠吉にいら立ちをぶつける家康ですが、忠吉は意に介せず言います。


「口うるさい隠居の最後の小言と思ってお聞きくだされ」


いつもの様子と違うことを察した瀬名は子供を連れ廊下に出るのでした。


「殿、道は二つに一つでござる。主君なる者は家臣を信ずるしかないのだわ。主君が家臣を信じなければ、家臣は主君を信じられませぬ」



信じて裏切られたらどうするのかと家康が聞くと…


「それまでのことでござる。もう一つの道は、謀反の疑いがある者を、ことごとく殺すことでござる。片っ端から一人残らず」

「殺すことにお決めなら、わしからにしてくだされ…。病で死ぬより楽そうじゃて」


忠吉はにやりと笑い、その場を出て行きました。

その表情と言葉には重みがあり、家康の心を動かします。


進む道に迷っていた家康は、落ち着きを取り戻し覚悟を決めるのでした。

兎のようにか弱い家康が、家臣の言葉でまた一つ成長したようです。


沈黙が流れる主殿に金属の触れ合う音が響きます。

金陀美具足を身に着けた家康がやってきたのです。




「……主君を選ぶのはお前たちじゃ。わしはお前たちを信じる。供をしたい者だけ参るがよい!」


皆、あとを追うように出ていきます。

左衛門尉と数正も懐から密書を出し破り捨て、わははと笑い飛ばしたのでした。

形勢逆転

戦況は一変し、まずは夏目広次が降伏します。

負傷兵の数はふえるばかり。手を合わせ見つめる空誓の傍らに正信が現れます。


「ご安心なされ、我らは負けませぬ。殿さまに命じられてやっている兵どもが我らに勝てるはずがない!」


正信が本堂まで来ると乱戦状態となっています。

敵の大将は家康。

つい最近まで共に戦っていた仲間もいます。

正信は家康に大声で呼びかけます。


「殿ー!諦めなされ!殿に勝ち目はござらん!御仏の子らは止められん!永遠に戦い続ける!終わりはない!殿は必ず負ける!負けるのじゃ!」


おおぉ!と雄たけびをあげる門徒兵たち。

その時、「愚かなり、弥八郎」と怒りを込めて忠世(小手伸也)が撃った銃弾が正信の肩に命中。

正信は均衡を崩し、屋根から落ちるのでした。


朦朧とした意識の中で、正信は8年前の出来事を思い出します。

大久保忠世と盗賊を打ち払った時のことです。

正信はその時に、遊び女となっていた幼なじみのお玉を失意のうちに亡くします。

あの世ではなく、この世で幸せになってほしかったというやりきれない思いを抱えたのでした。

和議

家康の元に水野信元(寺島進)が訪れます。


「信長様はお怒りじゃぞ」


寺と和睦して、背いた家来たちも許して呼び戻し、そのあとに寺を潰せと言うのです。

卑怯なやり方はしたくない家康だが、それは信長の意向なのです。

信長の怒りは何よりも怖い家康。

苦渋の決断をするしかないのでした。

まだまだ、狼には逆らえない兎ちゃんであることは変わらないようです。


正信の意識が戻るとそこはお堂の中です。

明日からの戦に備えようとすると、空誓上人はそれには及ばぬと言います。

家康が和議を申し入れてきたのです。

門徒たちの暮らしを守りたい一心だった空誓も、多くの死者を出したことに後悔をしています。

仲介役が水野信元だと聞いて、罠だと気づく正信。

空誓上人もそれはわかっているけど、傷ついた門徒たちにもっと戦えとは言えないのです。


「わしが愚かじゃった!何もかも台無しにしてしもうた!皆、すまんのう…すまんのう!」


空誓を責めるものは誰もいません。

抱き合って泣きじゃくる彼らを黙って見つめる正信でした。


1564年春、空誓と家康の間で和睦がなされ、三河一向一揆は終結し、反乱軍も制圧されました。

夏目広次は多くの家臣から助命嘆願されたため、謀反の罪は不問となります。

罪を許された時の夏目広次の涙は伏線となるのでしょう。今後何があっても命をかけて殿のために尽くすという気持ちの表れですね。


問題なのは本多正信。

半蔵を通じて釈明の機会を与えたが、話すことはないと言うのです…。

武田の間者 望月千代

捕えられた者たちを松平昌久(角田章広)は陰から見ていました。

一緒に逃げたはずの千代(古川琴音)の姿がありません。

その時、彼女たち歩き巫女は、甲斐の武田館を目指していました。


「で、望月千代。そなたは松平家康なる将をどう見た?」


信玄が問うと千代はこう答えます。


「才は織田信長に遠く及ばず。私がこれまで見た将の中でも最も肝の小さいお方かと」

「ただし、そのことを己自身が誰よりもわかっておられる…おもしろきお方です」


信玄はますます家康に興味を抱くのでした。

虎に睨まれた兎のようです。

守るべきもの

家康は、正信のいるお堂に向かいます。


「なぜ弁明しに出てこぬ?」


正信は答えません。

正信を助けたい家康は弁明するように促すと、たとえ嘘でも言えぬと言うのです。


「過ちをおかしたのは殿だから」


民が仏にすがるのは現世がつらいからだ、自分の役目も果たさず、民から救いの場を奪うとは何事かと憤怒の形相で家康を叱りつけます。


「殿が、お前が民を楽にしてやれるのなら、誰も仏にすがらずにすむんじゃ。そのために民はお前にたらふく米を食わせているんじゃ。おのれはそれをなさずして、民から救いの場を奪うとは何事じゃ、この大たわけが!

「悔いなければならないのは、殿でござる」


正信の言葉に揺らぐ家康だが、主君として認めるわけにはいかないのです。


「…とうに悔いておる。…だが、この国を立て直すために過ちをすべて引き受けわしは前へ進む!」


「本多正信…この三河から追放とする。二度と戻ってくること相ならぬ」


こんな風にしたくなかったと思う家康が背を向けると、正信に呼び止められます。

寺を元通りにすると約束した以上、どのようにいいわけをするのかと聞いてくるのです。

家康が頭を抱えていたことです。


「寺があった場所は、元の元は野っぱらなり。元の野っぱらに戻ーす!…で、いかがかな」




そこには家康のよく知る、”イカサマ師″正信がいたのでした。

寺を打ち壊した理由を正信の入れ知恵にするとは、見事な脚本です。

戦い終わって…

岡崎城では家臣たちが集まり酒を飲んでいます。

正信の追放もあって皆、手放しでは喜べません。

しかし、わざと何かを忘れるようにはしゃぐのです。




家康は櫓に上り城下を見つめています。

その頬には涙の筋があるのでした。

言葉をかけることができない瀬名です。


「わしは愚かなことをした…わしが守るべきものは…民と家臣たちであったというのに!」


涙を流す家康に、瀬名がそっと寄り添い言います。


「ならば、これから成し遂げましょう。厭離穢土欣求浄土…汚れたこの世を浄土に」


瀬名の言葉に、家康の胸には根拠のない希望の光がさしこむのでした…。

つづく…

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【どうする家康】第9話 感想考察

「守るべきもの」

民が仏にすがるのは現世がつらいからだ、自分の役目も果たさず、民から救いの場を奪うとは何事か

本多正信は、かつて経験した幼なじみの死が心の隅に棘となって引っかかっていたのでしょう。
辛い世を生きるよりも、死んで仏の元で安らかになりたいと思って死んでいった人はきっと数えきれないくらいいるのです。
そんな弱い者の救いの場を奪う主君に腹が立つのと同時に、主君であるなら皆が幸せに暮らせる国にせよと言いたかったのではないでしょうか。
あんたの守るべきものはなんなのだと。

前回で家康めがけて銃を撃った正信ですが、本気で殺そうと思ってやったとは思えないんですよね🤔
殺そうと思って撃つなら硬い兜は狙わないと思うのです。
正信は、主君としてなすべきことをせず、安易に暴挙に出た家康の目を覚まさせようとしたのではないでしょうか。
謀反の罪で自分が死ぬことになるようなことになっても、あえて心のままに行動したんだと思います。
それほどお玉は正信にとって大切な人であり、大切な人(達)がすがる場所をなんとしてでも守ることへの揺らぎない信念があったのでしょう。
最後に寺を潰す言い訳を考え伝えたのには、家康への感謝と民が平和に暮らせる国にしてほしいという希望を託したのだと推察します。

いやぁ、松ケンさんの演技に心を奪われっぱなしです😭
主君をお前と呼び大たわけと叱責する。
命をかけた言上に心身ともに震えました。
家康と正信の二人のシーンはドラマ前半の1番の山場となりましたね。
これでしばらく松ケンの出演はなくなるのかな🤔
それはちょっと寂しいな🥲

オープニングトップ映像は桜

お玉が連れ去られた時も、三河一向一揆が終結し、三河を出ることになった時期も桜の花びらがひらひらと舞う頃。
正信は桜を見るたびに、つらい思い出がよみがえってくることでしょう。
できれば、三河へ帰参するときは桜が舞う頃であってほしいと願うばかりです。
三河へ戻り殿と再び主従関係が結べるときには、舞い散る桜と共につらい思い出が浄化されますように…



鳥居忠吉の進言

これも胸を打つものでした。
戦では功をあげることはできなくなっても、長老者として命をかけて主君に意見する。
これも家臣としての立派な働きです。
この三河一向一揆の失敗で家康は家臣に教えられ、また一つ成長したことでしょう。
私も、年長者の言うことには耳をかたむけようとあらためて思い直しましたよ。


望月千代
多くの間で千代は望月千代ではないかと推測されていましたが、案の定でしたね。
演じている古川琴音さんの不思議な魅力にも釘付けです😆
信玄の元、まだまだ暗躍しそうです。

望月千代は武田信玄の甥、望月盛時の妻で、盛時は1561年の第4次川中島の戦いで討ち死にしたようです。
夫を失い、歩き巫女に扮し武田の間者として生きていく望月千代にも、悲しいストーリーがありそうですね。


三河一向一揆を描いた話で心に残るシーンがあとひとつ…

茜丸になついていたキク(親に捨てられていたのを空誓が救った子)が茜丸の死を知って、この先どんな思いで生きていくんだろう。
お玉のように生きていてもつらいだけと思って生きていくのかな。
茜丸とキクが昔のお玉と正信と重なって見えて胸がしめつけられそうになりました。


3週に渡って描写された三河一向一揆ですが、古沢さんの意図が伝わってくるようです。
家康にとって「どうしよう、どうしたらいい」という泣きながら右往左往し、生死の危機を迎えるほどの出来事を深く描くことによって、家康の心理の変化、家臣達によって成長していく様子を見せて、神君も人の子だったんだよ、最初から完璧な人物じゃなかったんだよと言っているように感じます。

40年前の「徳川家康」では三河一向一揆は一話で終わってました。
40年前は山岡荘八の原作あっての脚本だったので、脚本家の小山内美江子さんは、自分の色を一切出さずに原作に忠実な脚本を書いたようです。
当時、徳川家康という戦国の中でも超有名な人物を描いた作品だったので、最後まで観ていましたが…
やはり、ドラマって脚本家の色が出ていた方がおもしろいですね‼️



武士だって迷うし泣くし失敗もする。
カッコいいとこばかりではないはず。
試練は誰にでも訪れるし、それを乗り越えるには一人の力では無理なことで、いかに耳に痛い進言を聞くことができるかだと思うのです。
家康が人より秀でていたのはその点だったのかなとあらためて思わせてくれた、三河一向一揆という出来事でした。



来週は家康の側室問題が出てくるようです。
瀬名との関係や於大との嫁姑問題がどうなっていくのか?
松平家はいったいどうなるのか目が離せませんね😄

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なおらん

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